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Nuanceは、フランスのプログレッシブ・ロック・バンドだ。ウェブ上の情報では、1981年にフランス南部ペルピニャンで、ギタリストのRafael Marcoを中心に結成されたとされている。プロフィールでは「フレンチ・フォーキーな要素を持ち、複雑な構成を備えたプログレッシブ・ロック・バンド」と紹介されている。
1980年代前半のフランスでは、Synopsis、Opale、Grimeといったバンドが、Ange、Atoll、Mona Lisaら1970年代フレンチ・プログの流れを引き継ごうとする動きを作っていた。Nuanceもその流れの中に位置づけられている。
1982年には、自主制作で1stアルバム『Il est une légende』を発表した。この作品は、Angeを思わせる劇的なシンフォニック・サウンドが特徴とされている。1980年代半ばには、よりモダンな方向を目指し、1986年にカセット作品『Ami』を出している。
1989年には2ndフル・アルバム『Territoires』を発表した。この時期には、ベーシストのCathy Guerreが作曲面でもRafael Marcoと並ぶ中心メンバーになっており、フレットレス・ベースを前に出したミックスが目立つ内容になっている。
その後、1996年の『Reflets』がバンドの最後の作品になった。ここではJean-Louis Blancのレトロなシンセ・サウンド、Marcoのギターソロ、Cathy Guerreのフランジャーを効かせたフレットレス・ベースが絡む構成で、より一般的なプログ・ロックの流れに近い作りが確認できる。
Nuanceの音楽は、フレンチ・プログの系譜を引きながら、フォーキーな要素と複雑な曲展開を組み合わせている。初期はシンフォニックな色合いが強く、後期に進むにつれてモダンな質感や、聴きやすさを意識した方向も見えてくる。
特に印象的なのは、ギター、シンセ、ベースの役割がはっきりしている点だ。Rafael Marcoのギターは作品ごとに前面へ出ていて、Cathy Guerreのフレットレス・ベースは『Territoires』以降で重要な位置を占めている。Jean-Louis Blancのシンセは『Reflets』でレトロな音色として機能している。
Nuanceは、70年代フレンチ・プログの再評価や継承をめざした80年代フランスのネオ・プログ的な動きの中で語られている。AngeやAtoll、Mona Lisaの影響を受けた文脈が見え、同時代のSynopsis、Opale、Grimeとも並べて扱われている。
解散後、Marcoは「Rafael Marco et Amigos」や「Les Sergents Péperes」といった自身のプロジェクトで活動を続けている。
Nuanceは、派手な知名度よりも、フランスのプログ・ロック史の流れの中で確認しておきたいバンドだ。作品ごとに音の作り方が少しずつ変わっていて、その変化を追うと、80年代フランスのネオ・プログの動きも見えやすくなる。