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ピラニア軍団は、1975年に東映京都撮影所の大部屋俳優たちによって結成された俳優集団だ。川谷拓三、志賀勝、室田日出男、小林稔侍、片桐竜次ら、ヤクザ映画や時代劇で脇を固めていた面々が中心となっている。
結成のきっかけは、忘年会に呼ばれなかったことだとされる。川谷拓三と志賀勝が掲示板でメンバーを募り、室田日出男や小林稔侍らが加わって動き始めた。中島貞夫と渡瀬恒彦が発起人となり、千葉真一が特別後援者として支えた。
1975年にはテレビドラマ『前略おふくろ様』で川谷拓三と室田日出男がメインレギュラーに抜擢され、軍団全体の知名度が上がった。その後は映画やテレビで、悪役や脇役として広く起用されるようになる。
1977年には、メンバーが総出演する映画『ピラニア軍団 ダボシャツの天』も公開された。俳優集団としての活動が、そのまま作品化された形だ。
音楽面でいちばん知られているのが、1977年5月21日にベルウッドレコードから出たLP『ピラニア軍団』だ。フォーク歌手で俳優でもあった三上寛がプロデュースを担当している。
この作品では、編曲とキーボードに坂本龍一と佐藤準が参加し、演奏には村上“ポンタ”秀一、かしぶち哲郎、後藤次利、斎藤ノブといった当時のスタジオ・ミュージシャンが名を連ねている。参加メンバーを見るだけでも、かなり制作体制が厚い作品だ。
ジャンル表記としてはPop、Funk / Soulが挙げられている。俳優集団のアルバムでありながら、当時の第一線の演奏家が関わっている点が特徴になっている。
ピラニア軍団の音楽は、俳優集団の企画物としてだけでなく、1970年代後半の日本のポップスやファンクの制作現場とつながっている。坂本龍一、佐藤準、村上“ポンタ”秀一、後藤次利らが参加していることからも、当時のスタジオ録音の実力がそのまま反映された作品として見られている。
一方で、中心にいるのは歌手ではなく俳優たちだ。演技の現場で知られた人物たちが、音楽作品の中でどんな立ち位置を取るかという点も、このアルバムの面白さになっている。
1980年代に入ると、映画界の斜陽化や俳優の専属契約制度の変化があり、ピラニア軍団は自然消滅したとされる。
長く入手困難な作品として扱われていたLP『ピラニア軍団』は、2024年8月にアナログ盤とCDの両方で復刻された。これによって、当時の企画盤としてだけでなく、1970年代日本の音楽制作の一断面として聴き直しやすくなっている。
ピラニア軍団は、映画の脇を支えた俳優たちが集まり、テレビや映画で存在感を広げ、その流れの中で音楽作品も残した集団だ。俳優としての活動と、1977年のアルバムの存在が重なっているところに、このグループならではの記録性がある。