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Rewiring Genesisは、Genesisのコンセプト・アルバム『The Lamb Lies Down On Broadway』(1974年)を再構築したトリビュート・プロジェクトだ。中心にいるのは、Spock's BeardやBig Big Trainで知られるドラマーのニック・ダヴィルジリオで、マーク・ホーンズビーとともに制作が進められた。
ダヴィルジリオは、Genesisの1997年作『Calling All Stations』に参加した経歴も持っている。フィル・コリンズ脱退後のレコーディングに関わった人物が、のちに『The Lamb』を別の形で組み替えた、という流れになっている。
このプロジェクトで最も重要なのは、2008年に発表された『Rewiring Genesis - A Tribute To The Lamb Lies Down On Broadway』だ。原曲のメロディや構成をそのままなぞるのではなく、別の編成と解釈を前面に出している。
ウェブ上の情報では、キーボードの役割をリードやヴァイオリンなどに置き換え、ところどころにジャズ寄りの処理も入れている。原典の輪郭を保ちながらも、音の配置や質感はかなり変えられている。
ジャンル表記としてはRockで、スタイルはProg Rock、Symphonic Rockに分類される。実際の内容も、その範囲に収まっている。
原曲を忠実に演奏するタイプのトリビュートではなく、再編成と再解釈を重ねる方向の作品として扱われている。
原盤発表50周年にあたる2025年11月28日には、新録パートを加えたアップデート版がリリースされた。ここには、Genesisのギタリストであるスティーヴ・ハケット本人による新録のカメオ出演が含まれている。
さらに、ロンドンのアビイ・ロード・スタジオで収録されたオーケストラ・ストリングスも追加されていて、2008年版よりも音の層が増している。もともとの再構築型アレンジに、追加録音で奥行きを足した形だ。
Rewiring Genesisは、Genesisの作品を外側から参照するだけのプロジェクトではない。ダヴィルジリオ自身が『Calling All Stations』に参加しているので、バンドの後期作品にも接点がある。
そのうえで『The Lamb Lies Down On Broadway』を題材に選び、しかも大胆に編曲を組み替えているため、単なる懐古的な企画とは少し違う位置にある。Genesisの楽曲を別の視点から見直す試みとして追うと分かりやすい。
このプロジェクトを聴くときは、原曲との違いを追うのが自然だ。特に、楽器の置き換え方と、ジャズ寄りの処理が入る場面に注目しやすい。
『The Lamb Lies Down On Broadway』の楽曲を知っている人なら、どの部分がどう変えられているかを聴き比べられる。逆に原曲をまだ深く聴いていない場合でも、プログレッシブ・ロックの再構築作品として楽しめる内容になっている。