Vinyl Record Reviews
Rocketは、Crown Heights AffairのメンバーだったRay Rockが1980年代初頭に手がけたスタジオ・プロジェクトだ。ジャンルはFunk / Soulで、スタイルとしてはBoogie、Funk、Discoが挙げられている。バンド名としてのRocketは、Ray Rock個人の制作名義に近い形で動いていたようだ。
Ray Rockは、ブルックリンのディスコ/ファンク・バンドCrown Heights Affairでドラマー/パーカッショニストとして活動していた。Crown Heights Affairは1967年結成で、当初は「Ben Iverson and the Nue Dey Express」と名乗っていたが、のちに地元ブルックリンの地区名にちなんで改称している。
1974年にRCAからデビューし、翌1975年にDe-Lite Recordsへ移籍。そこで発表した「Dreaming A Dream」が全米Hot Dance Club Playチャートで1位を記録し、ファンクとディスコをつなぐニューヨークのバンドとして存在感を強めた。Earth, Wind & FireやKool & the Gangと並べて語られることもある。
Rocket名義では、1982年(一部資料では1983年)に唯一のアルバムがリリースされている。Crown Heights Affairの活動と並行して、あるいはその晩年に制作されたプロジェクトとして見られている。
このアルバムにはAudrey WheelerやCarol Douglasがヴォーカルで参加し、ミックスはMark Berryが担当している。スタジオ制作の作品らしく、演奏と歌の組み合わせが前面に出た構成になっている。
Rocketの音楽は、ディスコの流れを引きながら、ファンクのリズムとブギーの要素を取り入れたものとして整理できる。Ray Rockがドラマー/パーカッショニストだったこともあって、ビートの作り方に耳が向くタイプの作品だ。
派手なバンド編成で押すというより、スタジオ・プロジェクトとしてまとまったサウンドを作る方向性が見える。ディスコが主流だった時期の終盤から、ブギーやファンクへ重心が移っていく時代の空気も反映されている。
Rocketの唯一のアルバムは、現在ヴァイナル市場でレア盤として高値で取引されている。流通量が少ないこともあって、コレクターの間では注目されやすいタイトルになっている。
Crown Heights Affairの流れを知っていると、Ray Rockがどのようにダンス・ミュージックの制作へ踏み込んでいたのかが見えやすい。Rocketは、その周辺をたどるうえで外せない名前のひとつだ。