Vinyl Record Reviews
Sandは、1970年ごろにアメリカ・オレゴン州ポートランドで結成されたカントリー・ロック・バンドだ。メンバーにはJack Charles、Rich Gooch、Dan Wilson、Dan Ross、Steve Williams、Attilio Panissidi IIIが名を連ねている。
バンドは1972年後半に、歌手アンディ・ウィリアムスが主宰するバーナビー・レコードの目に留まり、ロサンゼルスでデモ録音を行った。このセッションをもとに、1973年にアルバム『Sand』が発表された。配給はMGMが担当していた。
このアルバムは、2枚組のLPを連続再生できるようにしたゲートフォールド仕様で出され、ジャケットには「One Record Album on Two Discs For Continuous Flowing SAND」と書かれたステッカーが貼られていた。両面をひっくり返さずにそのまま聴ける構成を意識した作りだった。
その後、1973年に2作目を残したのち、バンドは解散している。
Sandの音楽は、カントリー・ロックを軸に、Psychedelic Rock、Soft Rock、Country Rockの要素を含む。ウェブ検索での情報では、グラム・パーソンズ在籍期のザ・バーズ、フライング・ブリトー・ブラザーズ、初期イーグルス、ポコといったバンドに通じる音作りとして紹介されている。
つまり、ロックのバンド編成を保ちながら、カントリー寄りのメロディや演奏感を前面に出したタイプのグループとして受け止められてきたようだ。
アルバム『Sand』は内容面では評価されていた一方で、レーベル側がロックの販促に慣れていなかったこと、配給元のMGMが当時アーティスト整理を進めていたこともあり、十分なプロモーションを受けにくい状況だったとされる。その結果、作品は広く知られるところまでは届かなかった。
バンド解散後、Rich GoochとJack Charlesは後にQuarterflashへ参加した。Quarterflashは1981年の「Harden My Heart」で全米的な成功を収めているため、Sandはその前史としても見られている。
Sandは2014年にOregon Music Hall of Fameへ殿堂入りしている。活動期間は長くないが、ポートランド発のカントリー・ロック・バンドとして、また後の重要バンドにつながるメンバーを出した存在として記録されている。