Vinyl Record Reviews
Terpandreは、フランスのシンフォニック・プログレッシブロック・グループだ。中心メンバーはBernard Monerri(ギター、パーカッション)とJacques Pina(キーボード)で、ほかにMichel Tardieu(キーボード)、Patrick Tilleman(ヴァイオリン)、Paul Fargier(ベース)、Michel Torelli(ドラム、パーカッション)が加わっている。編成を見るだけでも、ギターと複数のキーボード、さらにヴァイオリンを前面に置いたバンドだったことがわかる。
Terpandreが残したアルバムは、唯一の作品である『Terpandre』のみだ。このアルバムは1978年に録音されたが、当時はパンクやディスコが主流だったこともあり、すぐにはリリース先が見つからなかった。結果として1981年に自主盤として世に出ている。その時点では、すでにバンドは解散していたとされる。
その後、このアルバムはプログレ専門レーベルMuseaによって再発され、こちらの盤で知られる機会が増えた。AllMusicやProgArchives、Spotify、YouTubeでも名前を確認できる。
Terpandreの音楽は、ヴォーカルを入れない完全なインストゥルメンタルだ。楽曲の中心を担うのは、2台のキーボード、Monerriのギター、そしてTillemanのエレクトリック・ヴァイオリンで、そこにベースとドラム、パーカッションが加わる。
特にメロトロンの使い方が目立ち、アルバム全体でその音色が前に出てくる。楽曲の構成はシンフォニック・プログレらしく、キーボードとギター、ヴァイオリンが旋律を受け渡しながら進む形だ。フランスのプログレらしい叙情性もあり、演奏面ではヴァイオリンがかなり重要な役割を持っている。
紹介文などでは、CamelやRousseauの系譜に近いバンドとして触れられることがある。加えて、Patrick Tillemanのエレクトリック・ヴァイオリンには、Jean-Luc Pontyを思わせるジャズ・フュージョン寄りの感触もあるとされる。つまり、オーケストラ的なキーボード・ワークと、弦楽器のフレーズが同居するタイプのシンフォニック・ロックだ。
Terpandreは作品数こそ多くないが、1970年代末のフランスで、メロトロンやヴァイオリンを軸にしたシンフォニック・プログレを残したバンドとして記録されている。1枚だけのアルバムを残して姿を消したグループなので、ディスコグラフィーを追うというより、あの1作の内容をじっくり聴くタイプのバンドだ。
プログレ好きなら、再発盤で名前を見かけたことがあるかもしれない。特にインストゥルメンタルのシンフォニック・ロックや、メロトロン主体のフランス産プログレに興味がある人には、チェックする価値があるグループだ。