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The Crusadersは、1960年にロサンゼルスで結成されたアメリカのジャズ・グループだ。中心になったのは、テキサス州ヒューストンの高校時代から一緒に演奏していたウィルトン・フェルダー、スティックス・フーパー、ジョー・サンプルの3人で、そこにウェイン・ヘンダーソンらが加わって活動を広げた。結成当初はThe Swingsters、Modern Jazz Sextet、The Nite Hawksなどの名前を経て、1960年にJazz Crusadersとして本格的にスタートしている。
1961年にはWorld Pacific Jazzと契約し、60年代はハード・バップを土台にした演奏で知られるようになった。時代が進むにつれて、音作りはソウル・ジャズ寄りに変化していく。1971年にはグループ名をThe Crusadersに短縮し、70年代にはBlue Thumb Recordsを拠点に活動した。この時期には、ギターのリフやバンプを前面に出した、よりファンク色の強い編成へ移っていった。
メンバーは時期によって入れ替わりがあり、ヒューバート・ロウズ、バスター・ウィリアムス、アーサー・アダムス、ジョー・パス、ラリー・カールトン、レオン・“ヌグ”・チャンクリャー、ロイ・ゲインズ、ロバート・ポップウェルなど、多くのミュージシャンが関わっている。
初期のThe Crusadersは、ジャズ・グループとしての演奏を軸にしながら、ソウルやR&Bの要素を少しずつ取り込んでいった。後期になると、ジョー・サンプルのキーボード、ウィルトン・フェルダーのサックスやベース、スティックス・フーパーのパーカッションを中心に、グルーヴの強い楽曲が増えていく。そこにラリー・カールトンのギターが加わった時期は、ファンクの色合いがさらに明確になっている。
ジャンルの表記としては Funk / Soul、スタイルとしては Rhythm & Blues、Soul-Jazz が挙げられる。実際の作品でも、ジャズの即興性とソウルのリズム感が同居する場面が多い。
The Crusadersを語るうえで外せないのが、1979年7月にシングルとして出た「Street Life」だ。ウィルトン・フェルダー、スティックス・フーパー、ジョー・サンプルの3人がプロデュースを担当し、リード・ヴォーカルはランディ・クロフォードが務めた。
この曲は、全米ポップチャートで36位、ソウルチャートで17位、全米ジャズチャートでは20週連続1位、全英シングルチャートでは5位を記録している。チャートの動きを見ると、ジャズの枠だけでなく、ポップやソウルのリスナーにも届いていたことがわかる。
ランディ・クロフォードにとっても、この曲は大きな転機になった。その後もジョー・サンプルとの共作は続き、2006年の『Feeling Good』、2008年の『No Regrets』が翌年のグラミー賞にノミネートされている。
The Crusadersは、自分たちの作品だけでなく、バック演奏でも広く活動していた。プロフィール情報では、200枚以上のゴールド・レコードで演奏に参加したとされ、Steely Dan、Curtis Mayfield、Joni Mitchell、Ray Charles、Van Morrison などの作品にも関わっている。
こうした活動を見ると、The Crusadersはグループとしての作品だけでなく、当時のポップスやソウル、ジャズの制作現場でも重要な役割を担っていたことがわかる。
「Street Life」は後年、ヒップホップのサンプリング・ソースとしても使われている。ゲトー・ボーイズが同名曲「Street Life」で引用したほか、T.K.O.などのアーティストにもサンプリングされている。こうした使われ方を見ると、この曲のリズムやフレーズが、後の世代にも再利用される素材として機能していたことが確認できる。
The Crusadersは、ジャズ・グループとして出発しながら、ソウルやファンクの要素を取り込み、さらに他アーティストの録音現場や後のサンプリング文化にもつながっていった。活動の流れをたどると、1つのバンドの歴史というより、60年代から80年代以降のブラック・ミュージックの接点を見ている感覚に近い。