Vinyl Record Reviews
The Fountainheadは、1982年にスティーブ・ベルトン(Steve Belton)とパット・オドネル(Pat O'Donnell)によって始まったアイルランドのロック・バンドだ。結成当初はBelton & O'Donnell名義で活動し、1984年からThe Fountainheadを名乗るようになった。バンド名は、アイン・ランドの小説『The Fountainhead』に由来する。
1984年、スティーブ・ベルトンとパット・オドネルの2人は音楽コンテストで優勝し、副賞としてダブリンのWindmill Lane Studiosで20時間のレコーディング権を獲得した。この権利を使って制作されたのが、インディペンデント・レーベルから発表されたデビュー・シングル「Rhythm Method」だった。この曲がアイルランドのラジオで広く流れたことをきっかけに、China Recordsとの契約につながっている。
ライブ活動に向けて、ドラムにピーター・マッキニー(Peter McKinney)、ベースにウィリー・デマンジ(Willie Demange / Willy De Mange)、キーボードにフィル・レニック(Phil Rennick)を加え、バンドとしての編成を整えた。1986年11月には北米ツアーも行っている。
China Recordsからは、1986年に1stアルバム『The Burning Touch』、1988年に2ndアルバム『Voice of Reason』を発表している。シングルも継続的に出しており、「Feel It Now」「Seeing Is Believing」(ともに1986年)、「So Good Now」「Heart & Soul」(1987年)などがある。
The Fountainheadの音楽は、ニューウェイヴやパワー・ポップ寄りのポップ・ロックとして整理されることが多い。電子的な要素も含みつつ、メロディのわかりやすさを前に出した作りで、当時のアイルランドのロック・シーンに見られる勢いも持っていた。ジャンル表記としてはElectronic、Rock、Popが挙げられ、スタイル面ではPop Rock、New Waveに位置づけられている。
Windmill Lane Studiosでのレコーディング権をきっかけに注目を集め、ラジオでの反応が契約につながった流れは、このバンドの活動歴を追ううえで重要なポイントだ。U2などが使ったことで知られるスタジオで制作されたデビュー作から、China Recordsでのアルバム発表、北米ツアーまで進んでいるので、アイルランド国内だけでなく外へ向けた活動も視野に入っていたことがわかる。
1990年に解散しているが、1980年代のアイルランド・ロックを追うときに名前が出てくるバンドのひとつだ。シングルの反応からアルバム制作、ツアーまで一通りの流れをたどっていて、活動の軸が見えやすいグループでもある。