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Valerie Doreは、1984年にイタリアのMerak Musicから発表されたデビュー・シングル「The Night」で知られるイタロ・ディスコのプロジェクトだ。クレジット上の名義と実際の歌唱担当が分かれていた点でも知られていて、プロジェクトの出発点ではドーラ・カロフィリオ(Dora Carofiglio、当時はドーラ・ニコロージ名義)が歌唱を担当した。一方で、プロモーション面ではモニカ・ストゥッキが前面に出て、「Valerie Dore」という名義がそのまま彼女のステージ名として定着していった。
「The Night」は、マルコ・タンシーニの作曲、シモナ・ザニーニの作詞、リノ・ニコロージとロベルト・ガスパリーニのプロデュースで制作された。続くヒット曲でも、ストゥッキがヴァレリー・ドーレ名義で歌唱を担当している。プロフィール情報によると、Dora CarofiglioはNovecentoのメンバーとしても活動しており、Valerie Dore名義で「The Night」のほか、2曲のヒットに参加した。
プロジェクトの第2期では、アルバムとそこからのシングル群が展開され、その作詞には再びシモナ・ザニーニが関わった。さらに、活動期間中にはモニカ・ストゥッキの歌唱や発音のフォロー、コーラス録音などを担当する体制もあったとされる。参加メンバーや制作陣が複数にわたる、プロジェクト型のユニットとして動いていたことがうかがえる。
Valerie Doreのサウンドは、イタロ・ディスコを代表する要素をまとっている。ウェブ上の情報では、反復的なシンセ・アルペジオと、物憂げなメロディが特徴として挙げられている。「The Night」もその流れにあり、シンセのフレーズを軸にした構成がはっきりしている。リズムはダンス向きで、メロディは歌ものとしての輪郭が残っている。
制作面では、作曲・作詞・プロデュース・歌唱・プロモーションが分担されていた。こうした作り方は、1980年代のイタロ・ディスコでよく見られた形式でもある。Valerie Doreの場合は、その分業体制がはっきりしていることが、プロジェクトの特徴のひとつになっている。
「The Night」は、1980年代イタロ・ディスコを象徴する楽曲のひとつとして扱われていて、今でも国内外のコンピレーションやDJセットで取り上げられることがある。特定の時代の音としてだけでなく、再発見される機会が続いている曲として見られている。
Valerie Doreという名義は、歌唱担当と表に出る名前の関係が複雑だったことも含めて語られることが多い。けれど、実際の音源を聴くと、シンセ主体の構成とメロディの組み立てがしっかりしていて、当時のイタロ・ディスコの制作感覚がそのまま伝わってくる。プロフィールや関連サイトをたどると、プロジェクトの構成や参加者の役割分担も見えてきて、単独の歌手というより、制作チームとしての色合いが強いことがわかる。