Van Der Graaf Generator

Vinyl Record Reviews

Van Der Graaf Generator

Van Der Graaf Generatorとは

Van Der Graaf Generatorは、1967年にイギリスでピーター・ハミル、ジャッジ・スミス、ニック・ピアーンによって結成されたロック・バンドだ。ジャンルとしてはプログレッシブ・ロックに分類されることが多いが、実際の音はその枠だけでは収まりにくい。ジャズ、ハード・ロック、室内楽、サイケデリア、前衛音楽などを行き来する構成で知られている。

活動の流れ

1970年代に活動を続けたのち、バンドは1978年にいったん解散した。その後、2004年にピーター・ハミル、ガイ・エヴァンス、ヒュー・バントン、デイヴィッド・ジャクソンという“クラシック”編成で再結成され、スタジオ・アルバム『Present』を発表している。2006年9月以降はデイヴィッド・ジャクソンを外した3人体制で活動している。

メンバーには、ピーター・ハミル、グラハム・スミス、ニック・ポッター、チャス・ディッキー、ガイ・エヴァンス、ヒュー・バントン、キース・エリス、デイヴィッド・ジャクソン、ジャッジ・スミス、ニック・ピアーンの名前が挙がっている。

音楽的な特徴

Van Der Graaf Generatorの特徴としてまず挙がるのは、楽曲の組み立て方だ。『Pawn Hearts』では、B面全体を使った23分の組曲「A Plague Of Lighthouse Keepers」が収録されていて、長尺の中で展開を細かく変えていく構成になっている。こうした作りは、単純な曲の積み重ねではなく、パートごとの切り替えや緊張感の持続を重視している。

音の面では、オルガンやサックスを含む編成がバンドの個性になっている。ギター中心のロックとは違い、音の層を厚くしつつ、時にぶつかるような演奏を前に出しているのがわかりやすい。プログレッシブ・ロックの代表的な要素を持ちながら、演奏の質感はかなり攻めたものだ。

『Pawn Hearts』とイタリアでの人気

1971年のアルバム『Pawn Hearts』は、イタリアのチャートで1位を獲得している。イギリスではイエス、ジェネシス、キング・クリムゾンのようなバンドほどの商業的成功には恵まれなかったが、イタリアではかなり強い支持を集めた。国ごとの受け止められ方に差があったバンドとしても知られている。

ピーター・ハミルの歌と詞

フロントマンのピーター・ハミルは、激情的で内省的な歌唱と詞で語られることが多い。感情を強く押し出す歌い方と、個人的な視点を含んだ言葉が前面に出るため、後年のパンクやポストパンクの文脈でも参照されてきた。セックス・ピストルズのジョニー・ロットンが影響を受けた人物としてハミルの名を挙げた、という話もある。

そのため、Van Der Graaf Generatorは「プログレッシブ・ロックの様式をまとったパンク」と評されることがある。もちろんジャンルとしてはプログレッシブ・ロックに入るが、反骨的な姿勢や個人主義的な表現が、後続のポストパンク世代に強く響いたという見方がある。

再評価される理由

このバンドは、プログレの定番イメージにある技巧や大作主義だけでなく、緊張感のある演奏、鋭い歌詞、そして簡単には整理しきれない曲構成で評価されている。時代ごとの流行にそのまま乗るタイプではないが、だからこそ後から聴き直されやすい。プログレッシブ・ロックの中でも、かなり独自の位置を占めるバンドとして扱われ続けている。

関連リンク

toast