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Vzyadoq Moeは、1986年にブラジル・サンパウロ州ソロカバで結成されたオルタナティヴ・ロック・バンドだ。活動名はVzyadoq Moeで、メンバーにはMarcos Stefani、Fernandão Dias、Edgard Steffen、Fausto Marthe、Marcelo Raymond、Jaksan Moreira Jr.が名を連ねる。
バンドは1986年に、マルセロ・ライムンド(ギター)、マルコス「ペロバ」・ステファーニ(ドラムス)、マルセロ「ファウスト」マルテ(ボーカル、作詞)を中心に始動した。その後、数週間ほどでジャクサン・モレイラ(ギター)が加入し、さらにエドガルド「デガス」ステフェン(ベース)が加わって、クラシック期の編成が固まった。
1988年には1stアルバム『O Ápice』を発表し、1991年には『Hard Macumba』をリリースしている。EPやシングルも残しており、90年代初頭にはいったん活動を休止した。2010年にはオリジナルメンバーによる散発的な再結成ライブも行われた。
Vzyadoq Moeのサウンドは、英国ポストパンクの流れと、ドイツの実験音楽、そしてブラジルのサンバ要素を組み合わせたところに特徴がある。参照先として挙がるのは、Bauhaus、Joy Division、The Cure、Killing Joke、Einstürzende Neubauten、Kraftwerkなどだ。
そこに加えて、ネルソン・カヴァキーニョ、カルトーラ、クララ・ヌネスといったブラジル音楽の要素も取り込まれている。ロック、インダストリアル、ポストパンクという分類だけでは収まりきらない作りで、曲によっては硬質なリズムとメロディの取り合わせが目立つ。
歌詞やビジュアル面では、象徴主義文学、漫画、ドイツ表現主義映画への言及が見られる。音楽だけでなく、作品全体の見せ方にも参照元がはっきりしているバンドだ。
このあたりの要素が、当時のブラジルのシーンの中で独自の存在感につながっていた。いわゆる主流のロックとは別の文脈で受け止められていたバンドとして見ておくと分かりやすい。
『O Ápice』と『Hard Macumba』は、後年のマングビート・ムーブメントに影響を与えた作品として扱われている。特にシコ・サイエンス&ナサォン・ズンビが牽引した流れとの接点が指摘されている。
ブラジルのロック史の中では、ポストパンクやインダストリアルの要素を現地の音楽や文化に接続した先行例として見られている。活動期間は長くないが、残した作品とその後の再評価で名前が残っているバンドだ。