Jarka - Morgue O Berenice (1972)
Jarka 1972

Jarka - Morgue O Berenice (1972)

Rock Jazz Folk, World, & Country Free Jazz Bluegrass

Jarka「Morgue O Berenice」について

スペインのジャズ/ロック周辺を語るとき、Jarkaの「Morgue O Berenice」は外せない1枚として扱われることが多い。オリジナルは1972年、バルセロナのキーボード奏者Jordi Sabatésを中心に発表された作品で、Jarkaの2作目にあたる。2010年にWah Wah Recordsから出たこの盤は、オリジナル盤の再発で、当時のスペイン産ジャズロックを今の耳でたどるための入口にもなっている。

作品の輪郭

本作は、前作「Ortodoxia」よりもジャズの比重がはっきりした内容で、インストゥルメンタル中心の流れが印象に残る。Jordi Sabatésの鍵盤を軸に、ベース、ギター、ドラムが組み合わさり、演奏は細かく動く。収録曲の中では「Esquizofrenia」やタイトル曲が代表的な存在として触れられることが多く、アルバム全体の核になっている。曲の進み方は直線的ではなく、フレーズを積み上げながら場面を切り替えていく構成。耳を追うと、ロックの推進力とジャズの即興性が同じテーブルに並んでいる感じがある。

音の印象

聴感上は、当時のスペインらしい湿度のある録音感と、演奏の切り替えの速さが目につく。キーボードは前に出たり引いたりしながら全体の輪郭を作り、リズム隊は拍を固めすぎず、流れを保つ役回りに回る。ギターはロック的な押し出しを作る一方で、場面によってはフォーク寄りの響きも持ち込む。終盤の「Woody’s Rag」は特にその傾向が分かりやすく、ジャズロックの枠だけでは収まりきらない余白を作っている。アルバム全体として、硬い演奏と素朴な旋律感が同居している点が面白い。

Jarkaというバンドの位置づけ

Jarkaは、Jordi Sabatésの個人色が強いグループとして見られることが多い。もともとカタルーニャのブルース/フォーク/サイケデリックの交差点から生まれたバンドで、この2作目では編成が組み替えられ、SabatésとベースのAlfonso de Lucasを軸に新しいメンバーが加わっている。こうした変化の中で、バンド名義の作品でありながら、Sabatésの鍵盤表現が前面に出たアルバムになっている。後年、彼がジャズ・ピアニストとして広く知られるようになったことを踏まえると、その出発点の一つとしても見えてくる。

同時代の文脈

1970年代前半のスペインでは、ロック、ジャズ、フォークが混ざる作品が少しずつ増えていったが、「Morgue O Berenice」はその中でも演奏主体の強い盤として記憶されている。英米のジャズロックやフュージョンと比べても、形式をなぞる感じは薄く、地元の音楽環境の中で独自に組み上げた手触りがある。スペイン産の同時代作を追うとき、より実験色の強い作品や、フォーク寄りの作品と並べて聴きたくなるタイプのアルバムだ。

2010年盤について

このWah Wah Records盤は2010年の再発で、限定500枚、27ページのブックレット付きという仕様になっている。オリジナルの音源を現在の環境で聴けるだけでなく、当時の背景を補う資料性も持つ。盤面の再発年は2010年だが、作品そのものは1972年の空気を強く残している。スペインのジャズロックを掘るときに、まず名前が挙がる1枚として扱われるのも納得できる内容だ。

トラックリスト

  1. A1 Superman Fallido 5:48
  2. A2 Moyenne Girl 4:16
  3. A3 Occidente 5:45
  4. B1 Morgue O Berenice 4:45
  5. B2 Esquizofrenia 5:45
  6. B3 Duet 3:50
  7. B4 Woody's Rag 2:04

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Jarka

Jarkaは、1971年にスペイン・バルセロナで結成されたカタルーニャのグループだ。中心人物は鍵盤奏者のJordi Sabatésで、彼は10代でポップ・グループPi...

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