Tony Joe White - Black And White (1969)
Tony Joe White『Black And White』
ルイジアナ州オーク・グローヴ出身のシンガーソングライター/ギタリスト、Tony Joe Whiteが1969年にMonumentから発表したデビュー・アルバム。シングル「Polk Salad Annie」で強く知られる前夜の作品で、A面に自作曲、B面にカヴァー曲を配した構成になっている。アルバムは米ビルボード200で61位を記録し、収録曲「Polk Salad Annie」はBillboard Hot 100で最高8位まで上昇した。
制作背景
プロデュースを務めたのはBilly Swan。のちに自身もシンガーとしてヒットを放つ人物で、このアルバムでは制作面を担っている。録音はテネシー州ナッシュヴィルのRCA Victor Studiosで行われ、Jerry Carrigan(ドラム)、Norbert Putnam(ベース)、David Briggs(キーボード)、Chip Young(ギター)ら、ナッシュヴィル〜マッスル・ショールズ系のスタジオ・ミュージシャンが参加した。作品の並びとしては、ホワイトのオリジナル曲と、Johnny Taylor、Slim Harpo、Jimmy Webb、Burt Bacharachらの楽曲を織り交ぜた形になっている。
時代の文脈
1960年代末のアメリカ南部音楽の流れの中で、Tony Joe Whiteはスワンプ・ロックの代表的な存在として語られている。低く深いバリトン・ヴォイス、ワウ・ペダルやファズを使ったギター、南部バイユーの生活や風景を題材にした語り口が、このアルバムでも前面に出ている。『Black And White』は、そうしたスタイルをアルバム単位で示した初期作として位置づけられている。
収録曲の中では「Willie And Laura Mae Jones」が特に知られ、Dusty Springfieldが『Dusty in Memphis』で早くもカヴァーしている。「Scratch My Back」はSlim Harpoのブルースを下敷きにした再解釈として扱われる一曲で、原曲とホワイトの作風の接点が見えやすい。A面のオリジナル曲群と、B面のカヴァー群を分けた構成も、この時期のホワイトの作曲と選曲の両方を見せる内容になっている。
後世への影響
このアルバムでもっとも広く知られているのは「Polk Salad Annie」。Elvis Presleyがこの曲に強く惹かれ、1970年代のラスベガス公演を含むライヴで繰り返し取り上げたことで、曲は長く歌い継がれる存在になった。Tony Joe Whiteの作曲は、後年のルーツ・ロックやサザン・ロック、アメリカーナの文脈でも参照されている。
『Black And White』は、Monumentからの1969年オリジナル盤として出たTony Joe Whiteの出発点であり、「Polk Salad Annie」を中心に、彼の作曲、歌唱、そして南部の素材を扱う姿勢をまとめて示した一枚として記録されている。
トラックリスト
- A1 Willie And Laura Mae Jones 4:47
- A2 Soul Francisco 1:52
- A3 Aspen Colorado 2:47
- A4 Whompt Out On You 2:21
- A5 Don't Steal My Love 3:50
- A6 Polk Salad Annie 3:43
- B1 Who's Making Love 3:00
- B2 Scratch My Back 2:57
- B3 Little Green Apples 3:57
- B4 Wichita Lineman 2:48
- B5 Look Of Love 3:09