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Tony Joe White(トニー・ジョー・ホワイト、1943年7月23日 - 2018年10月24日)は、アメリカ・ルイジアナ州オーク・グローヴ出身のシンガー・ソングライター、ギタリストだ。ブルース、カントリー、R&B、ファンクを土台にした「スワンプ・ロック」の代表的な存在として知られている。英語圏では「Swamp Fox」という呼び名でも親しまれていた。
少年時代は綿花農家の環境で育ち、ライトニン・ホプキンスのブルースに強い影響を受けたとされる。1969年にモニュメント・レコードからデビュー・アルバム『Black and White』を発表し、収録曲「Polk Salad Annie」が全米8位を記録した。この曲は後にエルヴィス・プレスリーがライヴで取り上げたことでも広く知られている。
同じく1969年のセカンド・アルバム『Continued』には「Rainy Night in Georgia」が収録されている。この曲は1970年にブルック・ベントンがカヴァーし、全米R&Bチャート1位、ポップ・チャート4位を記録した。のちにレイ・チャールズやランディ・クロフォードなど、多くの名歌手に歌い継がれるスタンダード曲となった。
Tony Joe Whiteの音楽は、ルイジアナの湿地帯を思わせる空気感を持つサウンドで語られることが多い。ブルース、カントリー、R&B、ファンクを自然体で組み合わせた泥臭い曲作りが核にあり、深く渋いバリトン・ヴォイスと、ワウペダルを効かせたファンキーなギター・リフが最大の魅力である。
演奏面では、派手な技巧を前面に出すというより、独特のゆったりとしたリズムのタメやギターのフレーズで曲の空気を作るタイプのミュージシャンとして高い評価を受けている。
Tony Joe Whiteは自作曲を歌うだけでなく、他のアーティストへの提供曲でも存在感を残した。1980年代末には、ダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーとの親交を通じてティナ・ターナーに楽曲提供を行い、「Steamy Windows」などの国際的ヒットを生み出している。
自らの作品が他の歌手のレパートリーとして広く歌い継がれていった点は、Tony Joe Whiteのキャリアを語るうえで極めて重要である。
晩年も精力的に音楽活動を続け、ダン・オーバック(The Black Keys)のスタジオ録音に参加するなど、若い世代のルーツ・ロック系ミュージシャンからもリスペクトを集めた。2018年10月24日、テネシー州リーパーズ・フォークにて75歳で逝去。
アメリカン・ルーツ・ミュージックの流れの中で、Tony Joe Whiteはスワンプ・ロックを軸に唯一無二の位置を築いたアーティストであり、代表曲「Polk Salad Annie」や「Rainy Night in Georgia」は今なお多くの音楽ファンに愛され続けている。