Vinyl Record Reviews
Albert Kingは、1923年4月25日にミシシッピ州インディアノーラで生まれ、1992年12月21日にテネシー州メンフィスで亡くなったアメリカのシンガー、ギタリスト、ソングライターだ。活動ジャンルはブルースを中心に、ファンク/ソウルの要素も持つ。スタイルとしてはソウルやリズム・アンド・ブルースの文脈でも語られている。
録音活動は1940年代後半から始まっている。1950年代から1960年代にかけては、同世代のB.B. KingやFreddie Kingと並んで、ブルース・ギターの重要人物として扱われてきた。2人のKingとは血縁関係はない。
商業的なピークは、1966年から1974年まで在籍したStaxレーベル時代にある。この時期に発表した作品が、アルバム単位でもシングル単位でも広く知られるようになった。
1967年の『Born Under a Bad Sign』は、Albert Kingを語るうえで外せない作品だ。Booker T. & the M.G.'sとMemphis Hornsをバックに、Booker T. JonesとWilliam Bellが書いた表題曲を軸にした内容になっている。
このアルバムからは「Laundromat Blues」「Born Under A Bad Sign」「Crosscut Saw」がBillboardのR&Bチャートに入った。表題曲のベースラインは、その後も多くのミュージシャンに演奏されるブルースの定番として扱われている。作品自体も、後にグラミー殿堂入りし、『ローリング・ストーン』誌の「歴史上最も偉大なアルバム500選」に選ばれている。
Albert Kingの音楽的個性でまず挙がるのが、独特なギターの構え方と奏法だ。左利きだった彼は、右利き用のギターをそのまま上下逆さまに構え、弦の並びが逆転した状態で変則チューニングを使って演奏した。
この持ち方だと、通常は上方向に行うチョーキングを、下方向に弦を引き下げる形で行うことになる。その結果、太く粘りのある音が出るとされている。愛用したギブソン・フライングVも、このスタイルを象徴する要素として知られている。
Albert Kingのギターは、後のブルース・ロック系ギタリストに大きな影響を与えたとされる。名前が挙がることが多いのはEric Clapton、Jimi Hendrix、Jeff Beck、Stevie Ray Vaughanあたりだ。彼らの演奏を追うと、Albert Kingのフレーズ感やチョーキングの扱いが参照されている場面が見つかる。