Albert King - Live Wire / Blues Power (1968)
Albert King 1968

Albert King - Live Wire / Blues Power (1968)

Blues Funk / Soul Soul Rhythm & Blues

Albert King『Live Wire / Blues Power』(1968)レビュー

アルバート・キングの『Live Wire / Blues Power』は、1968年にStaxから発表されたライヴ盤で、同年6月26日と27日にサンフランシスコのFillmore Auditoriumで録音された作品だ。ブルースの土台を持ちながら、当時のソウルやR&Bの熱量も強く感じさせる内容で、アルバート・キングがStax期に築いた代表的な姿をそのまま切り取ったような一枚になっている。

アルバート・キングは、B.B. KingやFreddie Kingと並んで語られることの多いブルース・ギタリストで、特に1960年代の活動では強い存在感を残した人物だ。Stax所属時代は、彼の音楽がブルースの枠にとどまらず、ソウルやファンクの聴き手にも届いていった時期で、この『Live Wire / Blues Power』はその流れをはっきり示す作品といえる。

Fillmoreでの録音という意味

このアルバムが重要なのは、単なるライヴ記録ではなく、アルバート・キングがロック・シーンの観客にも強く印象を残した時期の記録であることだ。Fillmore Auditoriumは当時のロック文化の中心のひとつで、ここでの演奏によってキングは、従来のブルース・ファンだけでなく、より広い聴衆へ届く存在になっていった。Bill Grahamが彼をこの会場へ招いた、という経緯もよく知られている。

演奏の核にあるのは、長く伸びるキング独特のギター・フレーズと、歌の間合いだ。スタジオ盤では整理されて聴こえる部分が、ライヴではさらに前に出る。音の切り出し方、フレーズの置き方、バンド全体の押し出しの強さが、会場の空気ごと伝わるような構成になっている。

収録曲の聴きどころ

収録曲の中では、Herbie Hancockの「Watermelon Man」を取り上げている点がまず目を引く。元はジャズ寄りの楽曲だが、ここではファンキーな推進力を持つブルース/ソウル寄りの演奏へと置き換えられている。こうした選曲は、アルバート・キングが当時のブラック・ミュージックの幅広い文脈の中にいたことを感じさせる。

また、終盤の「Blues at Sunrise」では、テンポや派手さだけに頼らない、じっくりした情感が前に出る。ライヴ盤でありながら、勢い一辺倒ではなく、音の余白やためがきちんと残されているのがこの作品の特徴だ。ギターが歌のように聴こえる瞬間が多く、そこにアルバート・キングらしさがある。

作品の位置づけ

『Live Wire / Blues Power』は、アルバート・キングのStax期を代表する録音のひとつとして見られている。商業的にもBillboard 200で40位、R&Bアルバム・チャートで150位を記録しており、ブルース作品としてはかなり健闘した部類だ。Staxにとっても、ソウル中心のレーベルがブルースの強いライヴ作品を広く届けた例として意味がある。

このライブの反響を受けて、Staxは同じFillmoreでの録音から『Wednesday Night in San Francisco』『Thursday Night in San Francisco』も発表している。つまり本作は、単独の名演集というだけでなく、アルバート・キングがライブ会場でどれだけ強い説得力を持っていたかを示す入口の記録でもある。

録音と盤のポイント

このUS盤はStaxのSTS 2003番で、ランアウトのMR刻印からMonarch Record Mfg. Co.プレスであることが示されている。Staxの1968年盤らしい時代性を持つ一枚で、オリジナル期の空気をそのまま感じさせる仕様だ。リリース国はUS、レーベルはStax。アルバート・キングの1960年代後半を理解するうえで、外せない録音のひとつといえる。

ブルースの骨格に、ソウルやR&Bの感触、そしてFillmoreならではの会場の熱が重なった作品だ。アルバート・キングのギターが持つ切れ味と、ライヴならではの集中力が、そのまま記録されている。

トラックリスト

  1. A1 Watermelon Man 3:52
  2. A2 Blues Power 10:00
  3. A3 Night Stomp 6:40
  4. B1 Blues At Sunrise 8:30
  5. B2 Please Love Me 4:46
  6. B3 Look Out 5:20

動画プレイリスト

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