Vinyl Record Reviews
Altın Gün(アルトゥン・ギュン)は、オランダ・アムステルダムを拠点に活動するトルコ系のバンドだ。ジャンル表記ではRock、Folk、World、& Country、Funk / Soulが並び、実際のサウンドはトルコの民謡やアナトリアン・ロック、ファンク、サイケデリック・ロックを組み合わせたものになっている。
プロフィールでも「GRAMMY Award-nominated Turkish psych-folk innovators」とされていて、トルコのフォークを現代的なバンド・サウンドに置き換える作業を続けているグループとして知られている。
バンドの始まりは、ベーシストのJasper Verhulstが2016年にアムステルダムのレコード店で、セルダ・バージュジャンによるトルコ・フォークのLPを手に取ったことにある。そこで耳にした音が、彼にとっては異国的でありながら、1970年代のダンサブルなサイケデリック・ロックと共通するグルーヴを持っていたという。
その体験をきっかけに、VerhulstはFacebookでトルコ人ミュージシャンを募集し、そこからAltın Günの結成につながった。
現在のクレジットには、以下の名前が挙がっている。
編成やクレジットの変動があるグループだが、少なくとも公開されている情報では、ベース、ギター、ボーカル、サズ、キーボード、パーカッション、ドラムを軸にしたバンド編成が中心になっている。
Altın Günの特徴は、トルコの民族楽器であるサズをはじめとする要素と、ロックの標準的な編成を組み合わせているところにある。そこにファンクのリズムやサイケデリック・ロックの展開が重なり、アナトリアン・ロックの流れを現代の録音で再構成している。
サウンド面では、強いベースライン、打楽器の前に出たリズム、反復の多いギター・フレーズ、トルコ語のボーカルが目立つ。民謡を素材にしながら、バンドとしてのグルーヴを前面に出している点が、このグループの聴きどころになっている。
Altın Günは、1960〜70年代のトルコで生まれたアナトリアン・ロックの系譜に連なる存在として紹介されることが多い。ウェブ上の情報でも、トルコのフォークやプログレッシブな要素を持つ旧来の音源から影響を受け、それを現在のバンド形式で鳴らしていることが確認できる。
ただし、単なる復刻ではなく、アムステルダムを拠点に活動する現代のバンドとして、サイケデリック・ロックとファンクの感触を前に出しているのがAltın Günのやり方だ。
デビュー作は2018年の『On』。ここでトルコ発のサイケデリック・グルーヴを現代のリスナーに向けて提示し、その後の活動の基盤を作った。
続く2019年の2ndアルバム『Gece』は、グラミー賞の最優秀ワールド・ミュージック・アルバム部門にノミネートされている。このノミネートによって、バンドの名前はより広い範囲に知られるようになった。
以降も、トルコのフォークとロックの接点を軸にした活動を続けている。公式サイトやBandcamp、SNS、レーベルのページでも、ライブ活動や作品情報が継続的に発信されている。