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Anita Bakerは、1958年1月26日生まれ、アメリカ・オハイオ州トレド出身のR&B/ソウル歌手、ソングライターだ。プロフィールでは8度のグラミー賞受賞歴を持つマルチプラチナ・アーティストとして紹介されている。声域はコントラルトで、E♭3からE♭6までの広いレンジを持つ。
1970年代後半、ファンク・グループChapter 8のリード・ヴォーカルとして活動を始めた。ところが、所属レーベルAriolaが1979年にArista Recordsへ買収された際、グループは「スター性がない」と判断され、契約を打ち切られたという。その後はデトロイトに戻り、ウェイトレスや受付の仕事をしながら過ごしていた。
その後、Ariolaの元関係者だったオーティス・スミスに声をかけられ、自身のBeverly Glenレーベルからソロ・デビューする。1983年に1作目『The Songstress』を発表した。
転機になったのは1986年のセカンド・アルバム『Rapture』だ。収録曲「Sweet Love」はグラミー賞を受賞し、アルバム自体もプラチナ・セールスを記録した。都会的なR&Bを好むリスナーだけでなく、アダルト・コンテンポラリー層にも支持が広がったとされている。
「Caught Up in the Rapture」と「Sweet Love」は、深夜のラジオで流れるスロー・バラード群を指す「クワイエット・ストーム」を代表する定番曲として扱われている。『Rapture』は世界で500万枚以上を売り上げた。
Anita Bakerの特徴としてまず挙がるのは、深いコントラルトの声だ。低音域から高音域まで幅広く使いながら、フレーズごとの感情の置き方がはっきりしている。派手な装飾よりも、歌詞の流れとメロディの運びで聴かせるタイプのシンガーとして知られている。
ジャンル表記はFunk / Soul、スタイルはSoul。実際の活動歴を見ると、ファンク・グループでの経験からソロでのR&B/ソウル路線へつながっていて、80年代のアーバンR&Bの文脈で重要な存在になっている。
『Rapture』以降の成功で、Anita Bakerは後の世代のR&Bシンガーに影響を与えてきた。特に、低めの声域を生かした歌唱、ゆっくりしたテンポの曲での表現、ラジオ向きのバラードの作り方は、彼女の作品を通して参照されている。
グラミー賞は通算8回。受賞歴とセールスの両方がそろっていて、作品ごとの評価が積み上がってきたタイプのアーティストとして見ておくとわかりやすい。