Vinyl Record Reviews
Ariana Grande(アリアナ・グランデ)は、1993年6月26日生まれのアメリカの歌手・俳優だ。ブロードウェイ・ミュージカル「13」でキャリアを始め、その後はニコロデオンのテレビシリーズ「Victorious」でCat Valentine役を演じた。続くスピンオフ「Sam & Cat」でも注目を集め、ティーン向け番組で人気を広げたあと、音楽活動を本格化させていく。
レコード契約後はRepublic Recordsからアルバムを継続的に発表してきた。スタジオ・アルバムは「Yours Truly」(2013年)、「My Everything」(2014年)、「Dangerous Woman」(2016年)、「Sweetener」(2018年)、「Thank U, Next」(2019年)、「Positions」(2020年)、「Eternal Sunshine」(2024年)まで続いている。
2026年にはRepublic Records内で新しいインプリント・レーベルを立ち上げ、次作「Petal」のリリースが予定されている。
ジャンルはElectronicとPop、スタイルとしてはSynth-popが挙げられている。楽曲ではシンセを前面に出したポップ・サウンドが目立ち、R&B寄りのメロディや、打ち込み主体のアレンジと組み合わせた作品も多い。アルバムごとにサウンドの方向は変わるが、ポップの軸は一貫している。
特に2018年の「Sweetener」以降は、電子音を使ったトラックと、ボーカルの細かなレイヤーを組み合わせた制作が印象に残る。「thank u, next」では、過去の恋愛を歌詞に取り込みながら、感情を整理するような書き方が見える。
2018年のシングル「thank u, next」は、Ariana Grandeのキャリアの中でもよく参照される楽曲だ。同年にはラッパーのMac Millerが急逝し、Pete Davidsonとの関係も終わっている。この時期の出来事を経て制作された曲で、過去の恋人たちの名前を歌詞に入れつつ、それぞれの関係に感謝を述べる内容になっている。
個人的な経験をそのまま作品に落とし込む形がはっきりしていて、ポップ・ソングとしての聴きやすさと、内面の記録が同居している。
Ariana Grandeの活動歴で外せないのが、2017年5月22日のマンチェスター・アリーナ公演終了後に起きた爆弾テロ事件だ。この襲撃で22人が死亡し、50人以上が負傷した。Grandeは直後にSNSで動揺を示し、残りのツアー日程を一時中止した。
その約2週間後の6月4日には、犠牲者と家族を支援するチャリティー・コンサート「One Love Manchester」をオールド・トラッフォード・スタジアムで開催した。Halsey、Jennifer Hudson、Chance the Rapper、Camila Cabello、Dua Lipa、Paul McCartney、U2らが参加し、50カ国以上で中継され、55,000人の観客を集めた。収益は約300万ポンドにのぼり、被害者支援に充てられた。
この一件以降、Grandeはマンチェスターの街から深い敬意を寄せられる存在として語られることが多い。
Ariana Grandeは、俳優としての活動から出発しつつ、ポップ・シンガーとして長く第一線にいる。アルバムごとに制作の色を変えながら、電子音主体のポップ・サウンドを更新してきた。事件や私生活の変化も作品に反映されていて、楽曲の中にその時期の空気が残っている。
演技と音楽の両方を経験してきた経歴、そして継続して作品を出し続けている点が、Ariana Grandeを追ううえでの基本情報になっている。