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Ashraは、ドイツ・ベルリンを拠点に活動したエレクトロニクス/ロック系のプロジェクトだ。中心にいたのは、Ash Ra Tempelのギタリストとして知られるマヌエル・ゲッチングで、1976年にAsh Ra Tempel解散後の活動として立ち上げられた。
名前はAsh Ra Tempelの略称に由来している。もともとはゲッチングのソロ・プロジェクトとして始まったが、のちにハラルト・グロスコップ、ルッツ・ウルブリッヒ、スティーヴ・バルテスらが加わり、バンド編成へと発展した。
Ashraの初期を語るうえで外せないのが、1976年の『New Age of Earth』だ。この作品は、ゲッチングが全ての楽器を演奏して制作したアルバムで、当初はヨーロッパのIsadoraレーベルから出され、その後1977年にVirginから再発された。
前身のAsh Ra Tempelが持っていたスペースロック寄りの感触から一歩進み、Ashraでは電子音を軸にした反復的な構成が前面に出る。曲の進み方も派手な展開より、同じモチーフを少しずつ変化させていく作りが目立つ。
その後はバンド形態での作品も続き、Virginからは1978年に『Blackouts』、1979年に『Correlations』、1980年に『Belle Alliance』を発表した。1990年代以降も再編や再結成を重ね、1998年からは「@shra」名義のシリーズも展開された。
Ashraの音楽は、クラウトロックとベルリン・スクールの流れに置いて整理しやすい。ギターを前面に出しつつ、シンセサイザーや電子音を組み合わせ、リズムは過度に動かさず、一定のパターンを保ちながら進む曲が多い。
『New Age of Earth』では、こうした要素がかなり明確だ。音の数は多くても、混み合いすぎず、ひとつひとつのパートが長く残る。後のアンビエント・ミュージックにつながる作品として参照されるのも、この構成のためだろう。
一方で、ロックの側面が消えたわけではない。ゲッチングのギターは、旋律を弾く場面でもリズムを刻む場面でも存在感があり、電子音だけの作品とは違う手触りを残している。
Ashraは、ベルリンで発展した電子音楽の流れを追うときに重要な名前だ。特に『New Age of Earth』は、後にアンビエントと呼ばれる領域の先駆的作品として扱われることが多い。
また、クラウトロックの文脈では、即興性やロックの推進力だけに頼らず、反復と音色の変化で曲を組み立てるやり方が注目されてきた。Ashraはその実例のひとつとして残っている。
2022年12月にはマヌエル・ゲッチングが死去したが、Ashraの作品群は、ベルリン・スクールやコズミック・ミュージックの流れを確認するうえで今も参照されている。