Vinyl Record Reviews
Baby Hueyは、アメリカのファンク/ソウル系シンガーだ。1944年8月17日にインディアナ州リッチモンドで生まれ、1970年10月28日にシカゴで26歳で亡くなっている。本名はジェームズ・レイミー。シカゴのソウル・シーンで活動し、地元では人気者として知られていた。
Baby Hueyは、The Babysittersのメンバーとして活動し、1960年代半ばに「Monkey Man」「Beg Me」「Messin' with the Kid」「Just being Careful」の4曲を録音している。これらはShann、USA、Satelliteなどのレーベルから出ている。
その後、Curtomレーベルと契約し、唯一のアルバム『The Baby Huey Story: The Living Legend』の制作を進めていたが、完成前に亡くなった。アルバムは1971年に死後リリースされた。収録曲にはシングル「Listen to Me / Hard Times」の音源も含まれている。
音楽性はファンクとソウルを軸にしていて、ロック寄りの要素も持っていた。The Babysitters時代の録音や、後にアルバムへ収められた曲からは、強い歌唱とリズム感を前面に出したスタイルが確認できる。
また、ウェブ上の情報では、彼は内分泌系の疾患の影響で体重が350〜400ポンドを超えていたとされ、シカゴ南部のホテルで急逝したあと、死因は体重、飲酒、ヘロイン依存が重なったことによる心臓発作と整理されている。そうした短い活動期間のなかで、録音された音源は多くない。
Baby Hueyの名前が広く残っている理由のひとつに、楽曲のサンプリングがある。とくに『The Baby Huey Story: The Living Legend』収録の「Hard Times」「Listen to Me」「Mighty Mighty Children」は、1980年代以降のヒップホップで繰り返し使われている。
「Hard Times」はチル・ロブG、アイス・キューブ、ア・トライブ・コールド・クエスト、ゴーストフェイス・キラー、ビズ・マーキーなどの楽曲でサンプリングされているとされ、短い活動歴に比べて音源の影響は長く続いている。
公式に確認しやすい中心作は『The Baby Huey Story: The Living Legend』だ。ほかに、The Babysitters名義の4曲や、「Listen to Me / Hard Times」のシングルがある。2019年には『The Living Legend』の拡張2LP版もリリースされ、未発表のインストゥルメンタル曲が追加された。
なお、『Another Story: The Lost Recordings』という配信アルバムもあるが、そこに収録された音源の扱いについては情報が分かれている。
Baby Hueyは、録音数こそ多くないが、残された音源がその後のソウルやヒップホップに長く使われてきたアーティストだ。活動の中心はシカゴにあり、The Babysittersでの録音、Curtomでのアルバム制作、そして死後に出た『The Living Legend』が、現在までの基本情報になっている。