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バーデン・パウエル(Baden Powell de Aquino)は、ブラジル出身のギタリスト、作曲家、ソングライターだ。1937年8月6日にリオデジャネイロ州ヴァーハ・エ・サイで生まれ、2000年9月26日にリオデジャネイロで亡くなった。ジャンルはジャズ、ラテンにまたがり、スタイルとしてはMPBに位置づけられている。
本名のバーデン・パウエル・デ・アキーノは、ヴァイオリニストの父リノ・デ・アキーノと、オーケストラの指揮者だった祖父を持つ家庭で育った。名前はボーイスカウト運動の創始者ロバート・バーデン=パウエルに由来し、スカウト活動に熱心だった父が名付けたとされている。
活動を語るうえで重要なのが、1962年に出会った詩人・外交官ヴィニシウス・ジ・モライスとの共同制作だ。2人はカンドンブレ、ウンバンダ、カポエイラといったアフロ・ブラジル系の要素と、リオデジャネイロのサンバを組み合わせ、当時広がっていたボサノヴァの枠を広げようとした。
この流れの中で生まれた1966年のアルバム『Os Afro-Sambas』は、現在も重要な作品として扱われている。宗教音楽や民間伝承の要素を取り込んだ構成が特徴で、バーデン・パウエルの作曲とギターが前面に出ている。
バーデン・パウエルは、ボサノヴァのギタリストとして知られる一方で、サンバとジャズの接点を強く意識した演奏でも注目されている。指弾きを軸にした細かなフレーズ、リズムの組み立て、和声の動かし方に特徴がある。ブラジル音楽の語法を保ちながら、ジャズの感覚を取り入れた点が活動の核になっている。
ウェブ上の資料でも、彼はブラジル音楽史におけるボサノヴァの革新者の一人として紹介されている。ヴィニシウスをはじめとする詩人や作詞家との共作が多く、歌ものと器楽曲の両方で存在感を示した。
現在は公式情報のまとまったサイトとして、brazil-on-guitar.de、Bandcamp、Wikipedia などで作品や経歴を確認できる。Bandcampでは音源を通して作品に触れやすくなっている。
バーデン・パウエルは、ボサノヴァの流れの中で、サンバ、ジャズ、アフロ・ブラジルの要素をつなげた人物として見られている。とくに『Os Afro-Sambas』を通じて、ブラジル音楽の中にある宗教性や地域性を、ギター中心の作品として整理した点が印象に残る。
ブラジル音楽を聴くとき、ボサノヴァだけでなく、その周辺にあるサンバやMPB、アフロ・ブラジルの要素まで含めて追いたい人には、バーデン・パウエルの作品が入り口になる。ギタリストとしての技術だけでなく、共作者としての仕事も見ておきたいアーティストだ。