Vinyl Record Reviews
Blue Minkは、1969年から1974年まで活動したイギリスのポップ・グループだ。プロフィールでは5人組のポップ・グループとされているが、実際にはロンドンのモーガン・スタジオ周辺で活動していたセッション・ミュージシャンたちを中心に結成されたバンドとして知られている。ジャンル分けではロック、スタイルではプログレッシブ・ロックに分類されることもあるが、実際の音づくりはポップ・バンドとしての性格が強い。
ブルー・ミンクは1969年秋、ロジャー・コーラム(キーボード)、ハービー・フラワーズ(ベース)、バリー・モーガン(ドラム)、アラン・パーカー(ギター)を中心に結成された。ここにヴォーカルとしてマデリン・ベルが加わり、さらにソングライターのロジャー・クックが参加して編成が固まった。メンバーにはロジャー・グリーナウェイ、アン・オデル、マイク・モラン、レイ・クーパーの名前も挙がっている。
もともとスタジオ・ワークに慣れた演奏者が集まってできたグループなので、演奏の精度やアレンジの組み立てが重視されていたようだ。バンドというより、制作能力の高いミュージシャン集団として見たほうが実態に近い。
デビュー・シングル「Melting Pot」は1969年に発表され、全英チャートで3位を記録した。ロジャー・クックとロジャー・グリーナウェイが手がけた曲で、多民族共生をテーマにした内容だった。リリース当時はヒット曲として広く受け入れられたが、歌詞の一部には現在の基準では人種的なステレオタイプと受け取られる表現も含まれている。2019年には英国の放送局が苦情を受け、この曲を自局のプレイリストから外している。
ブルー・ミンクの特徴は、セッション・ミュージシャンらしい演奏のまとまりにある。ロジャー・コーラムのキーボード、ハービー・フラワーズのベース、バリー・モーガンのドラム、アラン・パーカーのギターといった土台の上に、マデリン・ベルのヴォーカルが乗る形で曲が組み立てられている。そこに作曲・作詞のクレジットを持つロジャー・クックとロジャー・グリーナウェイが関わり、シングル向けの構成がはっきりした楽曲を出していた。
ジャンル表記としてはロックやプログレッシブ・ロックが付くことがあるが、実際の印象は当時のイギリスのポップ・シーンに近い。複雑な長尺曲を中心にしたバンドというより、ラジオ向けの曲をきっちり作るタイプのグループだ。
ブルー・ミンクは1974年の解散までにいくつかのヒット曲を残した。大きな長期活動を続けたバンドではないが、短い活動期間の中でチャート上位のシングルを出し、当時のイギリスで存在感を持っていた。特に、名うてのセッション・ミュージシャンが集まったバンドとして語られることが多い。
個々のメンバーは、それぞれがスタジオや他の音楽活動でも実績を持っていた人たちだ。ブルー・ミンクは、その人脈と演奏力がそのままバンドの色になっていたグループとして整理できる。
ブルー・ミンクについては、Wikipediaの項目やIMDbの関連ページで名前を確認できる。メンバーの動きや楽曲の背景を追うと、スタジオ・ミュージシャン主導のバンドが1960年代末のイギリス・ポップの中でどのように機能していたかが見えてくる。