Vinyl Record Reviews
Bob Theilは、スコットランド出身のギタリスト/シンガーだ。フォークとロックを行き来する作風で知られ、Nick Drake、Jethro Tull、Roy Harper、Michael Chapman、Sandy Denny、Joni Mitchell、Leonard Cohenといった名前が比較対象として挙げられている。
プロフィール情報では、アコースティック寄りのロック・サウンドに加えて、一部の楽曲でGilmour風のエレクトリック・リードが入る点も特徴として説明されている。デビューLP『So Far』は、そうした要素がまとまった作品として扱われている。
Bob Theilは1951年10月2日、スコットランド北東部に生まれた。独学で12弦アコースティック・ギターを身につけ、1970年にロンドンへ移住してフォーク・クラブのシーンに触れた。
1976年頃には「Avogadro」というデュオでも活動していた。若い頃はエルヴィス・プレスリーらのポップスに親しみ、その後、Bob Dylan、Pink Floyd、Led Zeppelin、Nick Drake、Leonard Cohenなどから影響を受けたという流れが伝わっている。
唯一のアルバム『So Far』は、1971年から1977年にかけて書き溜めた楽曲をもとに、1980年から1982年にかけてロンドンのHallmark Studiosで録音された。プロデューサーはスティーヴ・ホールで、演奏にはMark Brzezicki(Big Country)やJimmy Litherland(元Colosseum)などのセッション・ミュージシャンが参加している。
1982年にレコード会社へデモを送ったものの、当時の空気では時代遅れと見なされて採用されず、SRT Productionsを通じて1000枚限定のプライベート・プレスとして自主リリースされた。長く入手しにくい作品だったが、近年は英国の隠れた名盤として再評価が進んでいる。
本人の影響源としては、Bob Dylan、Pink Floyd、Led Zeppelin、Nick Drake、Leonard Cohenが挙がっている。紹介文の中では、これらの影響がそのまま並ぶというより、フォーク寄りの歌とアコースティック中心の音作りに、ロックの要素が重なっている形で受け取られている。
Bob Theilを追うなら、まず『So Far』のアコースティック・ギターと歌の組み合わせを確認したい。そこに、曲によって入るエレクトリック・ギターのフレーズや、セッション・ミュージシャンによる演奏の厚みが重なっている。
フォーク・クラブの流れと70年代ロックの要素が同居しているので、シンガー・ソングライター作品として聴くと整理しやすい。派手さよりも、曲の組み立てや演奏の配置に目が向くタイプの作品だ。