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Bobby Caldwell(ボビー・コールドウェル)は、1940年代末から70年代、80年代のソウル/AORシーンで存在感を残したアメリカのシンガー、ソングライター、プロデューサー、アレンジャー、マルチ・インストゥルメンタリストだ。1951年8月15日にニューヨークのマンハッタンで生まれ、2023年3月14日にニュージャージー州グレート・メドウズで亡くなっている。
Caldwellは、自分で歌うだけでなく、ギターやピアノもこなし、作曲や編曲、プロデュースまで手がけた。プロフィールでも触れられている通り、スタイルの振り幅が広く、ソウル、ディスコ、リズム&ブルース、バラード、AORの領域をまたいで活動していた。
キャリアの中では、Little Richardの伴奏ギタリストとして働いたほか、Boz Scaggsとも共演している。映画音楽の作曲にも携わり、ソロ作品も多数残した。
1978年に発表した「What You Won't Do For Love」は、Bobby Caldwellを語るうえで外せない曲だ。ソウルフルな歌声が前面に出たこの曲で、彼はトップ10ヒットを記録している。
この曲は後年、多くのアーティストにサンプリングされている。2Pacが「Do For Love」で引用したことでも知られていて、90年代ヒップホップとの接点もはっきりしている。
ウェブ上でもよく触れられる話として、「What You Won't Do For Love」を聴いた人が、Bobby Caldwellを黒人シンガーだと思い込んだ、というエピソードがある。実際、デビュー・アルバムのジャケットでは本人写真ではなく、ベンチに座る男性のシルエット画が使われていた。
このシルエットは、よく流布する「TK Recordsが白人であることを隠した」という話とは別で、Caldwell自身が撮影写真をもとに描き起こして提案したものだとされている。結果として、1979年には「Best Black Artist of the Year」を受賞した。Natalie Coleとのツアーでは、客席の多くが黒人リスナーで、ステージに本人が現れて白人だったことに驚く観客もいたという。
Caldwellの楽曲は、ヒップホップのサンプリング文化の中でも繰り返し使われている。「What You Won't Do For Love」だけでなく、「My Flame」もThe Notorious B.I.G.の「Sky's The Limit」に使われている。どちらも90年代の重要な楽曲に組み込まれていて、ソウル・ミュージシャンとしての彼の音源が後の世代に受け継がれていることが分かる。
Bobby Caldwellは、ジャンルで区切りにくい活動を続けたミュージシャンだ。ソウル、ディスコ、R&B、バラード、AORをまたぎながら、シンガーとしても作り手としても仕事を残している。代表曲の印象だけでなく、Little RichardやBoz Scaggsとの仕事、映画音楽、そしてヒップホップへの引用まで見ていくと、活動歴の広さがよく見えてくる。