Vinyl Record Reviews
Brian Bennettは、1940年2月9日にロンドンで生まれた英国のドラマー/パーカッショニストだ。1950年代から活動を始め、1961年にはトニー・ミーハンの後任としてクリフ・リチャード&ザ・シャドウズに加入したことで知られるようになった。
ザ・シャドウズ在籍中には、バンドの演奏だけでなく映画音楽にも関わっている。
『Summer Holiday』『Wonderful Life』『Finders Keepers』などのサウンドトラック楽曲を手がけ、映画作品の中でも存在感を示した。『Summer Holiday』では、本人にとって初めてのアイヴァー・ノヴェロ賞を受賞している。
1970年代半ば以降は、活動の中心を編曲家、指揮者、レコード・プロデューサー、そして映画やテレビの劇伴作曲へと広げた。演奏家としてのキャリアに加えて、制作や作曲の面でも仕事を重ねていく流れが見える。
特に注目されるのが、英国のライブラリー・ミュージック・レーベルKPMで、アラン・ホークショウとともに作った一連の楽曲だ。ここではファンクやディスコの要素が前に出た曲が多く、後年の再評価でも重要なポイントになっている。
1978年のソロ作『Voyage (A Journey Into Discoid Funk)』は、当時のディスコ・ブームの影響がはっきり出た作品として知られている。コズミックなディスコとジャズ・ファンクを行き来する内容で、Brian Bennettのソロ作の中でもよく語られる一枚だ。
収録曲「Solstice」は、その後にNasやハイ&マイティらがサンプリングしたことで知られる。こうした使われ方から、ヒップホップ以前の作品でありながら、後のサンプリング文化とつながる楽曲として扱われている。
Brian BennettのKPM時代の楽曲は、ScHoolboy Q、ドレイク、レイクワンなど、多くのヒップホップ・アーティストにサンプリングされている。2000年代以降は、クレイト・ディガーやDJたちによる再発見も進み、ライブラリー・ミュージックの文脈からも注目されるようになった。
ファンク、ディスコ、ジャズ・ファンクの要素を持つトラックが、サンプリング素材として繰り返し参照されている点は、Brian Bennettの仕事を語るうえで大きい。
2004年には、音楽への貢献により大英帝国勲章オフィサーを授与されている。ドラマーとしての活動から始まり、映画・テレビ音楽、ライブラリー・ミュージック、ソロ作品まで幅広く手がけてきた経歴が、その評価につながっている。