Vinyl Record Reviews
Bridget St. John(ブリジット・セント・ジョン)は、イギリス出身のシンガー/ソングライターだ。1946年10月4日、サウス・ロンドン生まれ。フォークを軸にした楽曲で知られ、とくにジョン・ピールのDandelionレーベルから1969年から1972年にかけて発表した3作で名前が広まった。
デビュー作は、ジョン・ピールがプロデュースした『Ask Me No Questions』。続く『Songs for the Gentle Man』はロン・ガーシンがプロデュースしている。さらに1974年にはChrysalis Recordsから『Jumble Queen』を発表した。1974年にはMelody Maker誌の読者投票で、その年の人気女性シンガー第5位に選ばれている。
当時はUKのカレッジ・サーキットやフェスティバルを中心にツアーを重ね、BBC Radioやジョン・ピール・セッションにも数多く出演した。
演奏面ではアコースティック・ギターを軸にした楽曲が特徴で、ギターの手ほどき役としてジョン・マーティンの名前を挙げている。深みのある歌声と、静かな構成のフォーク曲で評価されてきた。ジョン・ピールは彼女を「the best lady singer-songwriter in the country」と紹介している。
1976年にニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジへ移住し、その後は20年以上にわたって表舞台から離れた時期があった。1999年にはニューヨークで開かれたニック・ドレイク追悼コンサートに出演し、「Northern Sky」と「One of These Things First」を演奏している。
2006年にはフランスのミニマル・ミュージシャン、コリーンとともに日本ツアーを行った。以後も活動を続け、近年はニック・ドレイク、ジョン・マーティン、ケヴィン・エアーズ、マイケル・チャップマンへのトリビュートとなるミニアルバム『Covering My Brothers』も発表している。
ソロ活動以外では、マイク・オールドフィールドの『Amarok』、ケヴィン・エアーズやロビン・フレデリックとの共演歴がある。2007年にはケヴィン・エアーズの『The Unfairground』で再び共演し、「Baby Come Home」でデュエットしている。
2022年には、1974年から1982年の未発表音源をまとめたアーカイブ盤『From There/To Here』がリリースされた。長い活動歴の中で残してきた録音があらためて整理され、初期からの流れを追いやすくなっている。