Vinyl Record Reviews
Brother To Brotherは、1970年代初頭のセントルイスで、マイケル・バートンを中心にスタジオ・ミュージシャンたちが集まって結成されたファンク/ソウル・グループだ。Funk / Soulを軸にLatinの要素も含み、スタイルとしてはFunkとDiscoに接している。
1974年にマイケル・バートンが立ち上げ、シルヴィア・ロビンソンのサポートを受けながら、オール・プラチナム傘下のターボ・レコードと契約した。以後、Bottle to Bottle、Let Your Mind Be Free、Shades In Creationなどをリリースしている。
バンドは1974年から1980年にかけて、メンバーの入れ替わりを重ねながら4枚のアルバムを残している。固定メンバーで長く続く形というより、スタジオ・ミュージシャンを含む流動的な編成で活動していたようだ。
メンバーとしては、Craig Derry、Billy Jones、Jesus Alvarez、Clarence Oliver、Bernadette Randle、Michael Burton、Jonathan Williams、Leslie Booker、Bobby Palino、Chuck Carrado、Danny Lattuca、Leslie Cunninghamの名前が挙がっている。
1974年には、ギル・スコット・ヘロン&ブライアン・ジャクソンの「The Bottle」をカヴァーし、これが大きなヒットになった。原曲に近いオーケストレーションを保ちながら、よりストレートでアップテンポなアレンジに仕上げたヴァージョンで、ビルボードのHot Soul(R&B)シングル・チャートで9位、Hot 100で46位を記録している。
この曲でBrother To Brotherは、ソウル寄りの感触を持ちながら、ファンクのリズム感とディスコに通じる推進力を前面に出していた。カヴァー曲でチャート成績を残した点も、このグループを語るうえで外しにくい。
同じ1974年には、非アルバム収録曲「Every Nigger Is A Star」も発表している。タイトルの過激さが理由で、当時は多くのAM/FMラジオ局で放送禁止になったとされている。こちらはアルバム曲ではないが、当時の受け止められ方を示す例として記録されている。
Brother To Brotherの音楽は、ファンクのリズムを土台にしながら、ソウルのメロディ感とラテン由来の要素を重ねたものとして整理できる。ウェブ上の情報でも、セントルイスで集まったスタジオ・ミュージシャンの連合体のような成り立ちが語られていて、演奏のまとまりやアレンジの組み立てを重視したグループとして見えてくる。
特に「The Bottle」では、原曲の骨格を残しつつ、テンポを上げてダンス向けの推進力を強めている。ファンク、ソウル、ディスコの接点にある1970年代前半の空気を、そのまま記録したような一面がある。
Brother To Brotherは、派手に語られることは多くないが、70年代ファンク/ソウルの現場感を持ったグループだ。とくに「The Bottle」のヒットは、彼らの名前を今も残している大きな足跡になっている。