Vinyl Record Reviews
Cannonball Adderleyは、アメリカのジャズ・アルトサックス奏者、作曲家、バンドリーダー、プロデューサーだ。1928年9月15日にフロリダ州タンパで生まれ、1975年8月8日にインディアナ州ゲイリーで46歳で亡くなっている。弟はコルネット/トランペット奏者のNat Adderleyで、甥にキーボード奏者のNat Adderley Jr.がいる。
「Cannonball」というニックネームは、高校時代の旺盛な食欲から「Cannibal」と呼ばれ、それが訛って広まったものと伝えられている。
Adderleyは、Charlie Parkerの鋭さとBenny Carterの温かみを併せ持つアルトサックスの音色で知られる。ハードバップとバップを軸に活動し、速いフレーズの切れ味と、歌心のあるフレーズ運びの両方を持ったプレイヤーとして扱われてきた。
演奏では、音の立ち上がりがはっきりしていて、アンサンブルの中でも存在感が分かりやすい。ジャズの小編成コンボでその持ち味がよく出ている。
1957年から約18か月間、Miles Davisのグループに参加した。ここで『Milestones』(1958年)や、『Kind Of Blue』(1959年)に参加している。どちらもジャズ史の中で重要な録音として扱われている。
1959年には実弟Nat Adderleyとともに自身のクインテットを結成し、その後は小編成グループのリーダーとして活動を続けた。自身の名義でも多くの録音を残していて、在籍したグループや参加作を含めると、活動期間中に非常に多くのリリースに関わっている。
1966年には、Joe Zawinul作曲の「Mercy, Mercy, Mercy」がヒットした。これはビルボードのポップ・チャートで11位を記録していて、ジャズのインストゥルメンタル曲としては珍しいクロスオーバー・ヒットとして知られている。
この曲は、ジャズの演奏がより広い聴衆に届いた例としてよく挙げられる。Adderleyのグループが、ハードバップの枠にとどまらず、聴きやすいメロディやグルーヴを前面に出した場面としても重要だ。
Adderleyは、Miles Davisの重要な時期に参加したプレイヤーであり、自身のグループではハードバップの代表的存在として活動した。弟Nat Adderleyとの共演も多く、兄弟ならではの編成で小編成ジャズの魅力を広げていった。
彼の録音は、ハードバップの基本を押さえつつ、メロディの分かりやすさやアンサンブルの推進力もはっきりしている。ジャズの入り口としても、深く掘る対象としても触れやすい存在だ。