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Cat Stevensは、1948年7月21日生まれのロンドン出身シンガーソングライター。1960年代後半にデビューし、ポップ寄りの感覚を持つ楽曲で人気を集めた。その後、1969年に結核を患って活動を一時中断している。療養期間を経て、より内省的なソングライティングへ向かっていった流れが、1970年代の代表作につながっていく。
Cat Stevensの名前を大きく広めたのが、1970年の『Tea for the Tillerman』と1971年の『Teaser and the Firecat』だ。前者には「Wild World」「Father & Son」「Where Do the Children Play?」が収録され、世界的なブレイクのきっかけになった。後者では「Morning Has Broken」「Peace Train」が全米ビルボードHot100でトップ10入りしている。
この2作を中心に、Cat Stevensは1970年代を代表するフォークロック系のシンガーソングライターとして知られるようになった。ジャンル表記ではRock、Folk、World, & Countryに加え、スタイルとしてPop Rock、Art Rock、Folk Rockが挙げられている。
楽曲の軸は、アコースティックな響きとメロディのわかりやすさにある。そこに、歌詞での問いかけや家族、社会、日常の視点が重なる曲が多い。1970年代前半の作品では、派手な演奏よりも、歌とギターを中心に構成された曲作りが目立つ。
「Father & Son」や「Where Do the Children Play?」のように、世代間の距離や社会の変化を扱う曲もあり、単なるヒットメイカーではなく、テーマを持ったソングライターとして受け止められてきた。
1976年、マリブ沖で溺れかける臨死体験をきっかけに、兄からコーランを贈られたことが転機になった。1977年12月23日にイスラム教へ改宗し、翌1978年にYusuf Islamへ改名している。
1978年の『Back to Earth』を最後に世俗音楽から離れ、1979年11月22日のウェンブリー・アリーナ公演を最後に長く音楽活動を退いた。この期間は約30年に及ぶ。
2006年に『An Other Cup』で本格的に音楽活動へ復帰し、2009年の『Roadsinger』でその再開を確かなものにした。Cat Stevens名義とYusuf Islam名義の変遷を含めて見ていくと、活動の中断と再開がはっきり分かれているのが特徴だ。
2014年にはロックの殿堂入りを果たしている。活動初期のヒット曲だけでなく、1970年代前半のアルバム群がフォークロックの重要な作品として扱われてきたことが、この評価につながっているように見える。
Cat Stevensの楽曲は、メロディの入りやすさと歌詞の具体性が両立しているところがわかりやすい。ヒット曲を追うだけでも魅力は見えてくるし、アルバム単位で聴くと、時代ごとの考え方の変化も追いやすいアーティストだ。
まずは『Tea for the Tillerman』と『Teaser and the Firecat』から入ると、Cat Stevensの代表的な時期がつかみやすい。そこから前後の作品をたどると、デビュー期、全盛期、活動休止、復帰後までの流れが見えてくる。