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Clearlightは、1973年にフランス・パリで結成されたプログレッシブ・ロック・バンドだ。中心人物はキーボード奏者のCyrille Verdeauxで、最初は「Verdeauxのプロジェクト」として扱われ、デビュー作のタイトルも『Clearlight Symphony』だった。その後、Clearlightがバンド名として定着している。
メンバーは固定ではなく、Gong周辺のミュージシャンをはじめ、フランスのプログレ/アンダーグラウンド・シーンで活動していた演奏者が流動的に参加してきた。Steve Hillage、Tim Blake、Didier Malherbe、Didier Lockwood、Christian Boulé など、参加者の顔ぶれを見るだけでも、当時のフランス・プログレのつながりが見えてくる。
Cyrille Verdeauxは、1965年からパリのフランス国立高等音楽院で作曲、和声、ピアノを学び、学生作曲コンクールで3年連続1位を獲得している。かなり早い段階で音楽教育の面でも実績を持っていた人物だ。
一方で、1968年の五月革命の学生運動に関わったことを理由に同院を除籍されている。この経歴は、その後の活動の背景としてしばしば語られる部分だ。Clearlightの立ち上げにも、こうしたクラシック教育と時代の空気の両方が関わっている。
1975年のデビュー作『Clearlight Symphony』は、イギリスの大手レーベルと契約したフランス産プログレッシブ・ロック作品としては初期の重要作として知られている。参加メンバーにはGongファミリーのSteve Hillage(ギター)、Tim Blake(シンセサイザー)、Didier Malherbe(管楽器)らが名を連ねた。
このアルバムには、Debussy、Terry Riley、Soft Machine、Magma、Mike Oldfieldの『Tubular Bells』などの影響が感じられると評されている。実際、クラシック寄りの構成感、宇宙的なシンセサイザーの使い方、長尺の組曲的な展開が重なっていて、当時のヨーロッパ・プログレの要素がまとまっている。
Clearlightの軸にあるのは、ElectronicとRockをつなぐ発想だ。ジャンル表記としてはProg Rock、Space Rock、Symphonic Rockが挙がっているが、実際の作品ではキーボードを中心にした構成と、ギターや管楽器のフレーズが組み合わさることが多い。
Clearlightの音楽は、いわゆるハードなロックだけで押し切るタイプではなく、曲の構造や音色の変化を重視している。Gong関連のミュージシャンが多く参加していることもあって、フランスの宇宙志向のプログレ文脈と近い位置に置かれることが多い。
1970年代のある時期、Verdeauxは4歳の息子を亡くし、その後インドへ渡って各地のアシュラムでヨガ、瞑想、インド音楽を学んでいる。この経験は、その後の彼の音楽にかなり影響を与えたようだ。
1980年代以降のソロ作品では、Clearlightでのシンフォニック・プログレとは異なる、瞑想的でニューエイジ寄りの色合いが強くなる。Clearlightとソロ作品を並べて聴くと、同じ人物の作品でも方向性がかなり違うことがわかる。
Clearlightは、フランスのプログレ史を語るときに外せないバンドのひとつだ。特に『Clearlight Symphony』は、Gong周辺のミュージシャンが集まった作品としても、フランスのプログレが英国市場に届いた例としても重要な位置にある。
派手なロックの即効性よりも、組曲的な展開や音色の積み重ねを楽しむタイプの作品が中心だ。クラシックの素養を持つCyrille Verdeauxが、ロック・バンドの形式の中でどこまで広い音の景色を作れるか、その試みがClearlightの魅力になっている。