Coil

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Coil

Coilとは

Coilは、1983年にロンドンでJohn BalanceがPsychic TVのサイドプロジェクトとして始めたユニットだ。1984年にPeter “Sleazy” Christophersonとの活動が固まり、そこから本格的なグループとして動き出した。ChristophersonはPsychic TVの創設メンバーであり、Throbbing Gristleのメンバーでもあった。

メンバーには、Peter Christopherson、Stephen Thrower、Drew McDowall、William Breeze、Ossian Brown、Tim Lewis、Tom Edwards、Otto Avery、Geoff Rushton、Michael J. Yorkらが名を連ねる。レーベルはThreshold Houseで、作品や活動の多くがこの周辺から発信されてきた。

音楽性とテーマ

Coilの音楽は、Electronicを軸にしながら、Experimental、Industrial、Minimal、Dark Ambient、Noise、Droneなどを横断する。楽曲の題材には、オカルト、性、錬金術といったテーマが多く、音の構成と題材の両方で独自の方向を作ってきた。

初期はインダストリアル色が強く、打撃音や機械的なリズム、加工された音響が前面に出る。一方で、作品を重ねるにつれて電子音楽寄りのアプローチも広がり、単純なジャンル分けでは収まりにくい作風になっていった。

代表的な作品と転換点

1985年に発表したSoft Cellの「Tainted Love」のカバーは、当時深刻化していたエイズ危機への応答として制作された。テンポを落とし、葬送曲のように組み替えたこのバージョンは、収益がTerrence Higgins Trustに寄付されたことでも知られる。Peter Christophersonが監督したミュージックビデオは、病に冒された人物を描いた内容で、Marc Almondも出演した。この映像は、音楽ビデオとして初めてニューヨーク近代美術館(MoMA)に収蔵された作品としても記録されている。

1986年の『Horse Rotorvator』は、Fairlightによるブラス、きしむような打楽器、グレゴリオ聖歌風のコーラスを組み合わせた作品だ。歌詞では死、性、神聖な人食いといった主題が扱われ、Coilの代表作のひとつとして挙げられることが多い。

1991年の『Love's Secret Domain』では、当時のアシッドハウス・カルチャーの影響が強く出ている。ここでCoilは、初期のストレートなインダストリアル・サウンドから、より広いエレクトロニック・ミュージックの領域へと踏み込んだ。活動の中でも大きな転換点にあたる作品として扱われている。

活動の終わりとその後

John Balanceは2004年11月13日に自宅での事故により亡くなった。Peter Christophersonは、Balanceの死後はCoilを継続しない判断をした。そのChristophersonも2010年11月25日に55歳で亡くなっている。

Coilの活動はこの2人を中心に展開してきたため、バンドの歴史はそのまま2人の共同作業の歴史として見られることが多い。音源アーカイブやライブ記録、ファンサイト、Bandcamp、YouTube上の映像資料も残っていて、現在も作品に触れやすい状態が続いている。

影響と位置づけ

Coilは、後のゴシック・ロック、ネオフォーク、ダーク・アンビエントにも影響を与えたとされる。インダストリアルの文脈にありながら、単に硬質な音だけで押し切るのではなく、宗教的なモチーフや儀式性のある構成、環境音的な広がりを持ち込んだ点が特徴だ。

参考にしやすい資料としては、アーカイブ音源、公式Bandcamp、ライブ記録サイト、ファンによる動画アーカイブなどがある。作品ごとの変化を追うと、Coilが同じ枠に収まらないまま、電子音楽とインダストリアルの境界を行き来していたことが見えてくる。

ジャンル・スタイル

Electronic Experimental Industrial
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