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Destinationは、Danny Lugo、Kathleen Bradley、Love Chyle Theusの3人で構成された、ファンク/ソウル系のディスコ・グループだ。プロフィール上では「one-off vocal disco group」とされていて、長期的に活動するバンドというより、1回限りの企画色が強いユニットとして扱われている。プロデュースとリードはElton Farokh Ahiが担っていた。
このグループで特に知られているのが、Curtis Mayfieldの「Move On Up」をカバーした楽曲だ。1979年に発表された「Move On Up / Up Up Up / Destination's Theme」は、ダンス・ミュージック/クラブ・プレイのチャートで4週連続1位を記録したとされている。ソウル・シングル・チャートでも68位に入っている。
もともと「Move On Up」はCurtis Mayfieldの楽曲として知られているが、Destinationのバージョンはディスコ・フロア向けのヒットとして機能した。原曲の持つソウルの骨格を残しつつ、クラブで鳴らしやすい形に寄せた構成が、当時のダンス・シーンで受け入れられたようだ。
Destinationの音楽は、ソウルとディスコの接点にある。ファンク/ソウルを基盤にしながら、ディスコらしい反復するリズムと、踊ることを前提にしたアレンジが前に出ている。グループ名義ではあるものの、活動の中心は一枚のシングルに集約されていて、その点も70年代後半のクラブ向けプロジェクトらしい動きだ。
ウェブ上の情報を見る限り、Destinationはアルバム単位で長く作品を積み上げたグループではなく、特定の楽曲で存在感を示したケースに近い。だからこそ、曲そのものの強さがグループの印象を決めている。
この3人がDestinationのボーカル・トリオを構成していた。グループとしての活動は短かったが、メンバーの中でもKathleen Bradleyはその後のキャリアで広く知られるようになる。
Kathleen Bradleyは、1990年から2000年にかけて、テレビ番組『The Price Is Right』で初のアフリカ系アメリカ人常任「Barker's Beauty」を務めたことで知られている。番組には10年にわたって出演し、平日毎日1600万人以上の視聴者の前に出ていたという。また、Ice Cube主演の映画『Friday』への出演でも知られている。
音楽グループとしてのDestinationは短命だったが、メンバーの一人がテレビや映画の世界で長く活動したことで、グループの名前も別の文脈で語られることがある。
Destinationは、ディスコ期に多く見られた一回限りのプロジェクトの一例として見ておくとわかりやすい。プロデュース主導で作られたグループで、ヒット曲をひとつ残して終わる形は珍しくないが、その中でも「Move On Up」のカバーでダンス・チャート首位を獲得した実績ははっきりしている。
ソウル・クラシックの再解釈を通してクラブ・ヒットを生んだ点は、当時のディスコ文化の動きとも重なる。原曲の知名度と、ダンス・フロア向けの編集が結びついた結果として、Destinationの名前が残っている。