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Don Blackmanは、ニューヨーク・クイーンズ出身のジャズ・ファンク系ピアニスト/シンガー/ソングライター/プロデューサーだ。1953年9月1日生まれで、2013年4月10日にニューヨークで59歳で亡くなっている。
ジャンル表記としてはFunk / Soulに入るが、実際の活動はジャズ、ファンク、ソウル、ジャズ・ファンクをまたぐものだった。演奏だけでなく、作曲やプロデュースでも動いていた人物だ。
Blackmanは10代の頃からジャズの現場に入り、Charles McPhersonのアンサンブルに参加していたとされる。その後、70年代にはParliament/Funkadelic、Earth, Wind & Fire、Roy Ayersらのステージを渡り歩いた。
さらにLenny White率いるバンドTwennynineのメンバーとして活動し、「Peanut Butter」や「Morning Sunrise」といった楽曲にも関わっている。1982年に初のソロ・アルバムを出すまでの間は、Weldon Irvine、Kurtis Blow、Bernard Wright、David Sanbornなど、さまざまなアーティストの作品でキーボーディストやセッション・ミュージシャンとして参加していた。
1982年にArista Recordsから発表されたセルフタイトルのソロ・デビュー作『Don Blackman』は、Dave Grusinのプロデュースで制作された。ここには「Holding You, Loving You」と「Heart's Desire」が収録されていて、特にこの2曲が代表曲として知られている。
このアルバムは、レア・グルーヴやジャズ・ファンクの文脈でよく語られる作品だ。ヨーロッパでは楽曲が広く受け入れられ、後年は再評価も進んだ。
Blackmanの音楽は、ジャズの演奏感を土台にしつつ、ファンクのリズムやソウルの歌心を組み合わせたものとして整理できる。ピアノやキーボードのフレーズが前に出る曲が多く、バンドの中で鍵盤が役割を持つタイプの音作りが目立つ。
『Don Blackman』では、Boogie、Funk、Soul、Jazz-Funkといった要素がまとまっていて、演奏の細かい動きと曲の分かりやすさが両立している。シンガーとしての歌も入るので、インスト主体のジャズ・ファンクとは少し違う聴き口になっている。
「Holding You, Loving You」のピアノ・リフは、後のヒップホップでサンプリング素材として使われている。たとえば、Slum Villageの「Go Ladies」や、Jay-Zが関わった「What the Game Made Me」などで、その一節が引用されている。
こうしたサンプリングの積み重ねで、Blackmanの名前は当時のソウル/ファンクのリスナーだけでなく、ヒップホップ以降の世代にも届くようになった。
Don Blackmanは、セッション・プレイヤーとしての経験を積んだうえで、自分のソロ作でジャズ・ファンクの要素をしっかり形にしたミュージシャンだ。代表曲とアルバムを押さえると、70年代から80年代初頭のニューヨーク周辺のファンク/ソウルの流れも見えやすい。