Vinyl Record Reviews
Dreams We've Hadは、ミネアポリスを拠点に活動するBennett Blumbergによるドリームポップのソロプロジェクトだ。もともとはBlumbergをメインヴォーカルに、Kenzie Jansenのサブヴォーカル、Blake Graingerのドラム、Austin Blumbergのギターを加えたバンド編成で始まっている。
ジャンル表記はElectronic、Rockで、スタイルとしてはDowntempoやIndie Rockが挙げられている。ウェブ上では、Beach Houseや初期のM83に近いものとして語られることが多い。実際に、シンセや空間の使い方、ゆっくり進む曲の流れ、ロックのバンド感が同じ曲の中で並んでいる。
代表曲のひとつに「Perfectly Out of Place」があり、うつ状態をテーマにした楽曲として知られている。歌詞や曲の題材も含めて、内面の状態をそのまま楽曲に落とし込む作り方が目立つ。
Dreams We've Hadの制作面でよく取り上げられるのが、Blumbergの作曲プロセスだ。彼はインターネットも携帯電話もない環境で曲を書くことで知られている。情報を遮断した状態で制作を進めるやり方は、このプロジェクトの背景としてかなり重要な要素になっている。
2019年のアルバム『Everything and You』は、モンタナの人里離れたキャビンで、テクノロジーから切り離されたまま25日間かけて一人で書き上げられた作品だという。この作品では、前作よりも希望を感じさせる内容を目指したとされている。
『Everything and You』は音楽メディアから「ピュアなドリームポップ」と評され、2019年の年間ベストアルバムのひとつにも数えられている。規模の大きい活動というより、作品単位で評価を集めてきたプロジェクトとして見られている。
活動の見え方としては、派手な露出よりも、制作環境や楽曲の内容そのものが注目されている印象が強い。Dreams We've Hadを追うときは、アルバムごとの制作背景と、Beach Houseや初期M83を思わせる音の組み立てに注目すると入りやすい。