Dreams We've Had - Everything And You (2019)
Dreams We've Had 2019

Dreams We've Had - Everything And You (2019)

Electronic Rock Downtempo Indie Rock

Dreams We’ve Had『Everything And You』について

『Everything And You』は、Dreams We’ve Hadが2019年に発表した9曲入り、約42分のアルバムだ。配信では2019年12月20日に公開され、レコードも同じ2019年にUS盤として登場している。レーベルはUnfortunatefaceで、カタログ番号はUF05。今回の盤は180g仕様で、500枚限定という案内が付いている。タイトル曲を含む全体像としては、ElectronicとRockをまたぐ作りで、DowntempoとIndie Rockの要素が前面に出た作品として受け止められている。

バンドはミネアポリス拠点のプロジェクトとして知られている。公開情報をたどると、Dreams We’ve Hadという名前自体が、Bennett Blumbergの当時の精神状態と結びついたものとして語られている。本人の発言では、EP制作の頃に抱えていた感情や記憶が名前の由来になっており、このアルバムもその延長線上にある作品として位置づけられている。外側から見ればインディー・ロックの作品だが、内側にはかなり個人的な記録が通っている、という見方がしやすい。

作品の輪郭

このアルバムは、感情を遠回しに包むより、直接書き込む方向へ進んだ時期の作品として語られている。インタビューでは、2018年後半に書かれた「Perfectly Out Of Place」がひとつの転機だったとされ、そこから比喩を抑えて感情をそのまま出す書き方へ移ったという。『Everything And You』は、その流れを受けた作品として見ると筋が通る。

配信上ではAlternativeとして扱われており、批評家レビューは多く確認されていない一方、リスナー側の反応は強かった。Album of the Yearではユーザー評価が高く、2019年作品の中でも上位に入っていた。商業チャートで大きく目立つタイプというより、聴き手のあいだで静かに支持を集めたアルバムという印象が強い。

収録曲と聴こえ方

曲名を見ても、失恋、自己破壊、喪失感をそのまま扱う姿勢がはっきりしている。とくに「It All Feels the Same」は、歌詞の反復が目立つ曲として知られていて、感情の停滞や痛みが前に出る。Shazam上で確認できる歌詞でも、“hurt”や“love you the same”といった言葉が繰り返されており、言い換えよりも感情の持続を優先した書き方になっている。

実際に聴くと、リズムや音の配置が前に出る場面と、声がかなり近い距離で置かれる場面が行き来する。電子音の処理があるぶん冷たさはあるが、歌の内容はかなり生々しい。インディー・ロックの骨格に、ダウンテンポ寄りの動きが重なることで、感情の揺れがそのまま曲の流れになっているように聴こえる。

2019年の位置づけ

2019年のインディー周辺では、内省的な歌詞を持つ作品が数多く出ていたが、『Everything And You』はその中でも、個人的な告白を前に出した一枚として見やすい。音作りの面では、ベッドルーム的な近さとバンド演奏の輪郭が同居していて、電子音とギターの距離感が作品全体の特徴になっている。派手な展開で押すより、曲ごとの温度差を保ちながら積み上げるタイプのアルバムだ。

代表曲としては、配信でよく参照される「It All Feels the Same」が挙げやすい。アルバムの性格を端的に示す曲で、繰り返しと停滞感の扱いがこの作品らしさにつながっている。タイトル曲『Everything And You』も、作品全体の視点をまとめる役割を持つ曲として置かれているように見える。

レコード盤としての特徴

今回のレコードは2019年盤で、180g仕様、500枚限定という点が目を引く。初出年と盤の年が同じなので、後年の再発盤ではなく、オリジナル期の物理メディアとして扱いやすい。作品の内容がかなり私的で、配信で広がったあとにレコードとして少数で形になった、という流れもこのアルバムには合っている。

『Everything And You』は、派手な話題性よりも、作り手の精神状態や書き方の変化がそのまま刻まれた作品として残る。Dreams We’ve Hadという名前の由来から、2018年以降の作曲姿勢の変化、そして「It All Feels the Same」に見える感情の反復まで、ひとつの線でつながっているアルバムだ。2019年のインディー/エレクトロニック文脈の中でも、かなり個人的な記録として読むことができる一作。

トラックリスト

  1. A1 Aiyana (Come Down)
  2. A2 Darling
  3. A3 News From The War
  4. A4 Nothing Compares To You
  5. A5 A Song I Wrote For You When We Were Falling In Love
  6. B1 Benny Boy (A Beautiful Embrace)
  7. B2 You Can Always Kill Yourself Tomorrow
  8. B3 Perfectly Out Of Place
  9. B4 It All Feels The Same

動画

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