Vinyl Record Reviews
Earthforceは、1970年代後半の英国で活動したグループだ。ジャンル欄にはRock、Folk、World、& Countryが並び、スタイルとしてはPsychedelic Rock、Folk Rock、Acid Rockが挙げられている。中心にはスティーヴ・ベイフィールドがいて、彼が1976年ごろに電化されたロックだけでは物足りなくなり、シタールを手に入れたことが出発点になっている。
ベイフィールドは、ケン・ハイダー率いるケルト系バンドTaliskerのメンバーだったアラン・シップグッド(ベース、タブラ)やジェイムズ・グリーヴ(エレクトリックピアノ、シンセサイザー)らとセッションを重ね、その後、1977年3月にEarthforceとして本格的に動き始めた。メンバーにはTony Pettitt、John Lathey、Steve Bayfield、Raymond Critchell、Jenie Critchell、Mick Marsh、John Bland、James Gleave、Alan Shipgoodの名前が並ぶ。
初ライブは1977年5月28日、ロンドンのバタシー・アーツ・センターで開かれた「Music for Socialism」フェスティバルだった。ここではHenry CowやRed Baluneと並んで出演している。その後、ハンプシャーやサリーでレコーディング・セッションを行い、同年10月には60本限定のカセット作品を自主制作した。このカセットはアメリカ、フランス、南アフリカなどにも渡っている。
バンドは1977年半ばには実質的に解散へ向かい、1978年11月のギルフォード公演が最後の活動になったとされている。活動期間は長くないが、その間に作品とライブの記録を残している。
Earthforceのサウンドは、シタールと12弦ギターを軸にしている。そこに英国のフォーク、アシッド・フォーク、東洋的なトランス感覚が重なっている。エレクトリックピアノやシンセサイザー、タブラも使われていて、フォーク寄りの素材をロックの編成に組み込んだ形になっている。
後年には、Popol VuhやGongとの類似性を指摘されている。こうした比較が出るあたりに、単なるフォーク・ロックではなく、当時の実験的なロックやサイケデリックな要素に接続していたことがうかがえる。
1977年に自主制作された60本限定のカセットは、当時のアンダーグラウンドな流通の形をそのまま示している。さらに2004年にはCDとしてリマスター再発され、2021年には米レーベルからアナログ盤も登場した。発表当時は小規模な流通だったが、のちに再評価の対象になっている。
Earthforceは、1970年代後半の英国で、シタール、12弦ギター、タブラ、エレクトリックピアノ、シンセサイザーを使いながら、フォークとサイケデリック・ロックをつないだグループだ。活動期間は短いが、初ライブ、限定カセット、自主制作という流れがはっきり残っていて、後年の再発も含めて追いやすい経歴になっている。