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East Of Edenは、1960年代後半のイギリスで活動を始めたロック・バンドだ。プログレッシブ・ロック、ジャズ・ロック、サイケデリアをまたぐ作風で知られ、特にヴァイオリンを前面に出した編成が目を引く。
中心人物は、ヴァイオリン、フルート、サックス、トランペットを操ったDave Arbusだ。クラシック系の訓練を受けたヴァイオリンを、ロック・バンドの中で増幅して鳴らすスタイルを取り、バンドの音の芯を作っていた。Ron Cainesのアルト・サックス、Geoff Nicholsonのギターとヴォーカルも、初期のEast Of Edenを形作る要素になっている。
バンドは最初、Picture of Dorian Grayという名前で始まった。メンバーはDave Arbus、Ron Caines、Geoff Nicholson、Mike Price、Stuart Rossiterだった。その後、1968年にTerry BraceとAl Readが加わり、同年7月にはシングル「King Of Siam」を発表している。
1968年にはロンドンへ移り、Deram Recordsと契約した。編成はその後も動き、BraceとReadの脱退、ドラムの交代、ベースの交代などを経ながら、1970年にかけて活動を続けた。
1969年のデビュー・アルバム『Mercator Projected』は、初期プログレの中でもハードな音作りで語られることが多い。ギター、サックス、ヴァイオリンがぶつかる構成で、同時代のプログレ勢の中でもかなり変則的な響きを持っている。
続く『Snafu』(1970年)では、Dave Arbus、Ron Caines、Geoff Britton、Andy Sneddonらの編成で録音が行われた。この作品からの「Ramadhan」は、中東音楽を思わせる旋律を取り入れた曲として知られ、フランスでシングルチャート2位を記録している。
その後、Deramから離れたバンドは「Jig-a-Jig」がシングルとして再発され、これがイギリスでトップ10入りした。もともとはヨーロッパ向けの編集盤として出た曲だったが、結果的にバンドの代表曲のひとつになった。
1970年代前半にはHarvest Recordsから『East Of Eden』『New Leaf』を発表している。この時期はメンバーがさらに入れ替わり、Davy Jack、Jeff Allen、Jim Roche、Joe O'Donnell、Garth Watt-Roy、Martin Fisherらが参加した。バンドは1978年にいったん解散した。
1996年にはArbus、Caines、Nicholsonの3人が再結集し、翌1997年に『Kalipse』をリリースした。この作品も、初期作と同じくカルト的な扱いを受けている。
East Of Edenの特徴は、やはりDave Arbusのヴァイオリンにある。ロック・バンドの中でヴァイオリンを主役級に置く編成は当時としてはかなり珍しく、そこにフルートやサックスが重なることで、一般的なギター中心のハードロックとは違う音像ができている。
音楽面では、ハードなギター・ロックを土台にしながら、ジャズ寄りのフレーズ、サイケデリックな展開、中東やアジアの音階を思わせる旋律が入ってくる。特に「Ramadhan」や『Mercator Projected』の曲では、その方向性がはっきり出ている。
『Mercator Projected』は、1960年代末の英国プログレの中でもかなり硬質なサウンドを持つ作品として扱われている。King CrimsonやVan der Graaf Generatorの初期作と並べて語られることもあり、初期プログレの中で少し異なる立ち位置を持つバンドとして見られている。
East Of Edenは、1969年10月のActuel Festivalにも出演している。このイベントはベルギーのAmougiesで行われ、Frank Zappaが司会を務め、Soft MachineやCaptain Beefheartなども参加していた。East Of Edenはその中で演奏し、後年のドキュメンタリー作品にも記録が残っている。
Dave ArbusはThe Whoの「Baba O'Riley」でヴァイオリン・ソロを担当したことでも知られる。こうした周辺活動を見ると、East Of Edenのヴァイオリン主体の感覚が、当時の英国ロックの中でもかなり独自だったことがわかる。
バンド本体は大きなヒットを連発したタイプではないが、『Mercator Projected』や「Jig-a-Jig」、「Ramadhan」のような曲が、後年になっても再評価されている。特にプログレ、ジャズ・ロック、サイケデリック・ロックの接点を探る時に、East Of Edenは外せない存在として挙げられることが多い。
East Of Edenは、編成の変化が多いバンドだが、初期のヴァイオリンを軸にした作りと、硬質な演奏、非英米圏の音階感を取り込む姿勢が、今も印象に残る。プログレッシブ・ロックの初期史をたどるときに、かなり面白い位置にいるバンドだ。