Vinyl Record Reviews
Edwyn Collinsは、スコットランド・エディンバラ出身のシンガー、ソングライター、ミュージシャン、イラストレーター、音楽プロデューサー、テレビ俳優・プロデューサーだ。1959年8月23日生まれ。レーベルAEDの共同設立者でもある。
コリンズのキャリアを語るうえで、まず外せないのがバンドOrange Juiceだ。グラスゴー郊外ベアーズデンで学友アラン・ダンカンと組んだ「Nu-Sonics」が母体になり、そこにジェイムズ・カークとスティーヴン・デイリーが加わって、1979年にOrange Juiceへ改名した。
初期のシングルは、アラン・ホーン主宰の独立レーベルPostcard Recordsから発表された。Josef KやAztec Cameraらと並び、「サウンド・オブ・ヤング・スコットランド」と呼ばれた動きの中心にいたバンドとして知られている。
1983年2月の「Rip It Up」は全英8位を記録し、Orange Juice唯一のトップ40ヒットになった。この曲は、Roland TB-303を使った最初期のヒット曲としても記録されている。
ソロでは、1994年から1995年にかけて「A Girl Like You」が代表曲として広く知られるようになった。Orange Juice時代のギター主体のポップ・ロックとは少し違う手触りを持ちながら、メロディの強さとリズムの押し出しで耳に残る楽曲だ。
Edwyn Collinsの作品は、ロックを土台にしながらポップの要素を前に出した作りが目立つ。バンド時代からソロまで、曲の輪郭がはっきりしているところが特徴として挙げられる。
2005年、45歳だったコリンズは2度の脳出血に見舞われ、失語症と右半身麻痺という重い後遺症を負った。医師からは言語や認知能力の回復はかなり厳しいと伝えられ、半年ほど言葉を発せない状態が続いたという。
昏睡から目覚めて最初に口にしたのは、妻グレイス・マクスウェルの名前と「the possibilities are endless」という言葉だった。その後は妻や専門家の支えを受けながらリハビリを続け、グラストンベリーのような大きなステージへの出演や新作制作を再開するまで回復している。
Edwyn Collinsは、Postcard Records周辺のスコットランド・インディー・シーンと、90年代のソロ・ヒットの両方で名前を残している。Orange Juiceの時代には、初期のシーンを代表する存在として動き、ソロでは「A Girl Like You」で別の世代にも届く曲を作った。
ロックとポップ・ロックを軸にしながら、バンド、ソロ、プロデュース、さらにイラストやテレビ仕事まで活動の幅がある。作品を追うと、時代ごとの音の違いと、メロディを前面に出す作りが見えてくる。