Vinyl Record Reviews
Egdon Heathは、1981年にオランダ北部のレーワルデンで結成されたプログレッシブ・ロック・バンドだ。ジャンルはRock、スタイルはSymphonic Rockに分類されている。メンバーにはJaap Mulder、Marcel Copini、Aldo Adema、Wolf Rappard、Maurits Kalsbeek、Valère Wittevrongel、Jens van der Stempelの名前が挙がっている。
バンド名は、イギリスの作家トマス・ハーディの小説『帰郷』(The Return of the Native)に登場する架空の荒野「Egdon Heath」に由来する。作品の舞台そのものとして描かれる土地の名をバンド名に選んでいる点からも、Egdon Heathが持つ物語性や陰影のあるイメージがうかがえる。
Egdon Heathは1981年に結成され、1999年に解散した。翌2000年には、解散を記念したライブ・アルバムを発表して活動を終えている。スタジオ盤は5枚を残しており、代表作としては『Nebula』『Him, the Snake and I』『The Killing Silence』などが知られている。
音楽面では、分厚いメロディックなキーボード・サウンドを軸にしたシンフォニック・ネオプログレッシブ・ロックを展開していた。Arena、Pendragon、Shadowlandといった同時代のネオプログレ勢と比較される作風で、キーボードを前面に出した構成や、楽曲の展開を重視するスタイルが特徴として挙げられている。
AllMusicやProgArchivesでもプログレ系バンドとして扱われており、オランダのネオプログレ・シーンを支えた存在として紹介されている。イギリスのプログレッシブ・ロック黄金期から一世代を経て登場したバンドとして、80年代以降のシーンの流れの中で活動していた。
Egdon Heathは、オランダの北部を拠点にしながら、英語圏のプログレッシブ・ロックの流れに近いシンフォニックなサウンドを追求したバンドだ。バンド名の由来から作品タイトルまで、文学的なイメージと結びつく要素が多く、音の作りもキーボード主体の厚みあるアレンジが中心になっている。
活動期間は長くないが、1990年代のネオプログレ・シーンの中で、オランダ勢の一角として存在感を残したグループとして整理できる。プログレッシブ・ロックの流れを追う人なら、同時代の英国勢と並べてチェックしやすいバンドだ。