Vinyl Record Reviews
Elvis Presleyは、1935年1月8日にアメリカ・ミシシッピ州イースト・テューペロで生まれた歌手だ。1977年8月16日にテネシー州メンフィスで亡くなっている。ロックを中心に、ポップ、カントリー、ゴスペルでも成功を収め、録音音楽史でもっとも売れたアーティストの一人として知られている。
Presleyは1950年代にロックンロールの代表的な存在として注目を集めた。ロック、ロカビリー、カントリー、リズム・アンド・ブルースの要素を組み合わせた歌唱と演奏で人気を広げ、早い時期から大きな商業的成功を収めている。
1958年3月には徴兵され、テキサス州フォート・フッドで基礎訓練を受けたあと、西ドイツ・フリートベルクに18か月間駐留した。この時期の1958年8月には母のGladysを亡くしている。兵役は活動の流れを一度止めたが、その後の復帰へつながる重要な期間にもなった。
Presleyの音楽は、Rock & RollとRockabillyを軸にしている。カントリー由来の節回しと、黒人音楽のリズム感を取り込んだスタイルが特徴で、初期の録音ではその組み合わせがはっきり出ている。歌い方は曲ごとの表情の切り替えが大きく、バラードでもアップテンポ曲でも声の押し出しが強い。
また、ロックだけでなくポップ、カントリー、ゴスペルの分野でもヒットを残している。ジャンルをまたいで活動した点は、彼の録音資料や受賞歴からも確認できる。
1960年代後半になると、量産的な映画出演が続いたことや、Beatles、Rolling Stonesなど新世代のロック勢の台頭もあり、Presleyのキャリアは低迷期に入る。ここで流れを変えたのが、1968年12月3日にNBCで放送されたテレビスペシャル『Elvis』だ。
この番組は後に「'68カムバック・スペシャル」と呼ばれる。Presleyは黒革の衣装で登場し、往年のヒット曲を久しぶりに生演奏で披露したほか、新曲「If I Can Dream」も歌った。この番組の成功で活動の軸が立て直され、その後はラスベガスを拠点にした活動へ移っていく。
'68カムバック・スペシャル以後のPresleyは、ステージ活動を中心に進めた。ラスベガスを拠点にした時期には、死去までに361回のコンサートを行っている。スタジオ録音だけでなく、ライブを通じて存在感を示した時期として整理できる。
こうした経歴からも、Presleyがロックンロールだけに収まらない存在として扱われてきたことがわかる。音楽史の中では「The King of Rock and Roll」または「The King」と呼ばれている。
Presleyは、20世紀の音楽を代表する人物の一人として見られている。商業的な成功、ジャンル横断の活動、ライブ復帰のエピソードまで含めて、記録と記憶の両方に残るアーティストだ。娘のLisa Marie Presleyをもうけたことでも知られている。
Elvis Presleyを追うと、ロックンロールの成立期から、60年代の停滞、'68カムバック・スペシャルによる再浮上、ラスベガス期まで、ひとつの時代の流れが見えてくる。Rock、Rockabilly、カントリー、ゴスペルをまたぐ活動歴は、今でも多くのアーティストやリスナーに参照され続けている。