Etta James

Vinyl Record Reviews

Etta James

Etta Jamesとは

Etta Jamesは、1938年1月25日にアメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスで生まれたR&B/ソウル・シンガーだ。2012年1月20日にカリフォルニア州リバーサイドで亡くなっている。レーベルとしてはChessでの活動が特に知られていて、同レーベルを代表する女性ボーカリストのひとりとして扱われることが多い。

幼少期から早くも歌手として活動

本名はJamesetta Hawkins。5歳の頃からロサンゼルス南中部のSt. Paul Baptist Churchで聖歌隊「Echoes of Eden」の独唱者として歌っており、地元ラジオにも出演していた。10代でJohnny Otisに見出され、1955年に最初のヒットを出している。

1950年代後半はModern RecordsとKent Recordsに録音を残し、1960年にChessへ移籍した。そこから1976年まで同レーベルで活動を続けている。

代表曲「At Last」とその後の広がり

代表曲としてまず挙がるのが「At Last」だ。もともとは1942年の映画『Orchestra Wives』のためにGlenn Miller楽団向けに書かれた曲で、Jamesが1960年に録音し、翌1961年に発表した。R&Bチャートで2位、Billboard Hot 100で47位を記録している。

この曲はその後、彼女の代表作として広く知られるようになり、欧米では結婚式の定番曲としても定着している。2009年のオバマ大統領就任式でBeyoncéがこの曲を歌ったことでも話題になった。

歌声とスタイル

Etta Jamesの特徴としてよく挙げられるのが、コントラルトの声域と、土っぽさのある低めの声だ。歌唱スタイルはゴスペル、ブルース、ジャズ、R&B、ロックンロール、ソウルまで幅広く、ジャンルの境界をまたいで活動していた。R&Bとロックンロールの橋渡し役として語られることもある。

幼少期から教会音楽に親しみ、そこからR&Bやソウルへつながっていった流れを考えると、声の使い方やフレーズの置き方にゴスペル由来の感覚が残っているように聞こえる。

活動の後半と受賞歴

1965年から1970年代半ばにかけては、ヘロイン依存との闘いもあった。1978年にはJerry Wexlerプロデュースの「Deep in the Night」を録音しているが、その後しばらく録音は途切れ、1988年に「Seven Years Itch」で再び活動を再開した。1988年から2006年にかけては、アルバムを比較的コンスタントに発表している。

受賞歴も多い。1993年にロックの殿堂入りを果たし、グラミー賞では1994年の『Mystery Lady: Songs of Billie Holiday』でBest Jazz Vocal Performance、2004年の『Let's Roll』でBest Contemporary Blues Album、2005年の『Blues to the Bone』でBest Traditional Blues Albumを受賞している。2003年にはグラミー功労賞も受けている。

映像作品や後年の評価

2008年の映画『Cadillac Records』では、1970年代後半までの彼女のキャリアが描かれた。Etta James役はBeyoncé Knowlesが務め、サウンドトラックでもJamesの曲が使われている。

晩年には2008年にアルツハイマー病、2011年に白血病と診断され、2012年1月20日に73歳で亡くなった。夫と2人の息子に看取られての死去だった。

聴くときのポイント

  • 初期のR&B録音は、10代での歌手デビュー期の勢いがそのまま残っている
  • Chess時代は、ソウル寄りの楽曲とブルース寄りの楽曲の両方を追うと流れが見えやすい
  • 「At Last」は、彼女の歌唱の入口としても定番としても押さえやすい
  • 後年のアルバムでは、ブルースやジャズ寄りの作品も多く、声の使い分けが分かりやすい

ジャンル・スタイル

Blues Funk / Soul Pop Rhythm & Blues Soul Vocal
toast