Vinyl Record Reviews
Eurythmicsは、Annie LennoxとDavid A. Stewartを中心にしたイギリスのシンセポップ・デュオだ。ジャンルはElectronic、スタイルはNew WaveとSynth-popに分類される。1981年にEurythmicsとして始動し、80年代を通じて活動の軸を作っていった。
LennoxとStewartは、Eurythmics結成以前から音楽活動でつながっていた。二人はThe Touristsの時代に一緒に活動しており、その頃は恋人関係でもあった。長期ツアーの中で関係には負担がかかり、The Touristsが1980年に解散すると同時に交際も終わったが、音楽面での関係は続いた。その後、二人は新しいサウンドを求めてEurythmicsを立ち上げた。
最初期にはすぐに大きな注目を集めたわけではなく、認知を広げるまでに時間がかかった。そこから6枚目のシングル「Sweet Dreams (Are Made of This)」で突破口を開き、この曲が転機になった。
「Sweet Dreams (Are Made of This)」は、1982年初頭にロンドン・チョークファームの額縁店の2階にあった8トラックの自宅スタジオで制作された。制作資金はレコード会社の援助ではなく、個人の銀行ローンだった。
曲の誕生には、偶然の要素も重なっている。Stewartが中古で手に入れたドラムマシンをプログラミングしていた際、止め方が分からず、音が鳴り続けた。その音で別室にいたLennoxが目を覚まし、そのビートに合わせてキーボードのリフを弾き始めた。Stewartも別のキーボードで重ね、あの楽曲が形になったとされている。
Eurythmicsの音は、シンセサイザー、ドラムマシン、キーボードを中心に組み立てられている。New Waveの流れを背景にしながら、Synth-popの要素を前面に出した作りが特徴だ。生楽器中心のバンドとは異なり、機材の使い方そのものが楽曲の骨格になっている。
特に初期から中期にかけては、電子音を軸にしたリズムと、Lennoxのボーカル、Stewartの制作面での手腕が組み合わさっていた。限られた機材で作られた楽曲がそのまま代表曲になっている点も、このユニットの性格をよく表している。
「Sweet Dreams (Are Made of This)」の成功後、Eurythmicsは80年代を代表するシンセポップ・グループの一つとして活動した。デュオ編成のまま、電子音を使った楽曲制作を続け、ポップスとしてのわかりやすさと、機材ベースの制作を両立させていった。
メンバー欄にはAnnie Lennox、David A. Stewartのほか、Dean Garcia、Olle Romo、Roger Pomphreyの名前もある。時期によって制作や演奏に関わる人員が加わっているが、中心にあるのはあくまでLennoxとStewartの二人だ。
90年代前半から中盤にかけては、それぞれのソロ活動が続いた。その後、1999年には再結成し、1枚のアルバムとチャリティー・ワールドツアーを行った。さらに2004年には、過去作の拡張版、リマスター版、再パッケージ版のリリースと、ベスト盤第2弾が出ている。
こうした再編集や再結成の動きからも、Eurythmicsの楽曲が長く聴かれ続けていることがわかる。80年代の作品だけで完結せず、その後の再提示も行われてきた。
Eurythmicsという名前は、Lennoxが子どもの頃に触れていたダルクローズ・ユリズミクス(eurhythmics)の教育法に由来する。結成前には「The Spheres Of Celestial Influence」という別名も候補にあったが、最終的にはEurythmicsが採用された。