Vinyl Record Reviews
Frank Sinatraは、アメリカ出身の歌手・俳優だ。1915年12月12日にニュージャージー州ホーボーケンで生まれ、1998年5月14日にロサンゼルスで亡くなっている。ポップスとジャズを軸に、ボーカル、バラード、スウィングの分野で長く活動した。
愛称は「The Voice」「Ol' Blue Eyes」「The Chairman Of The Board」「Frankie Boy」などが知られている。イタリア系アメリカ人として、20世紀のアメリカ音楽を代表する存在のひとりに数えられている。
Sinatraはスウィング時代に歌手としてキャリアを始め、いくつかのバンドで経験を積んだあと、1943年3月にコロンビア・レコードと契約してソロ活動を本格化させた。Columbia在籍中の活動を経て、1952年6月に同レーベルを離れている。
1953年3月13日にはCapitol Recordsと7年契約を結び、ここで多くの評価の高いアルバムを発表した。さらに1960年には自身のレーベルReprise Recordsを設立し、その後も国際的なツアーを続けた。1960年代前半にはRat Packや大統領John F. Kennedyとの交流でも知られている。
1950年代初頭、Sinatraのキャリアは大きく落ち込んでいた。コンサートの客入りは伸びず、レコード売上も下がり、Ava Gardnerとの関係による精神的な負担も重なっていたとされる。
その流れを変えたのが、1953年公開の映画『地上より永遠に』でのMaggio役だ。Sinatraはこの役を得るために積極的に売り込みを行い、結果として低い報酬を受け入れて出演した。この演技でアカデミー助演男優賞を受賞し、俳優としての評価を回復させた。同時に、歌手としての活動も再び勢いを取り戻している。
Sinatraの歌唱は、はっきりしたフレージングと、言葉の置き方が特徴として挙げられる。スウィング期の勢いを持ちながら、Capitol期にはより滑らかな歌い回しと、オーケストラの厚みを生かした表現が前面に出てきた。
特にNelson Riddleとの仕事では、アレンジと歌の呼吸が合った作品が多い。『In the Wee Small Hours』や『Only the Lonely』では、バラードの比重が高く、音数を抑えた場面でも感情の流れが伝わる構成になっている。
Sinatraは歌手としてだけでなく、映画俳優としても活動した。『地上より永遠に』での成功以降、音楽と映像の両方で存在感を持ち続けた点が大きい。Broadwayや映画、音楽業界の記録にも名前が残っていて、活動範囲の広さがわかる。
後年のポップ・シンガーやジャズ・ボーカリストに対しては、歌い方そのものだけでなく、アルバム単位で作品を組み立てる考え方にも影響を与えたと見られている。1曲ごとの完成度だけでなく、曲順や編曲を含めて聴かせる作り方は、彼の重要な仕事のひとつだ。
公式サイトやSNS、アーカイブ系の資料、百科事典、音楽データベースなどで情報を確認できる。活動の全体像を追うなら、公式サイト、Britannica、AllMusic、IMDb、Wikipediaなどが参照先として使いやすい。
長いキャリアの中で、Sinatraは時代ごとに歌い方と作品の方向を変えながら、ポップとジャズの両方で基準のような位置を保ち続けた。録音、映画、ライブのどれを見ても、20世紀アメリカの大衆音楽を考えるうえで外せない人物だ。