Vinyl Record Reviews
Freeは、1968年にロンドンで結成されたイングランドのロック・バンドだ。ジャンルはロック、スタイルとしてはブルース・ロック、クラシック・ロックに位置づけられている。メンバーはPaul Rodgers、Paul Kossoff、Andy Fraser、Simon Kirkeを中心に、のちにJohn "Rabbit" Bundrick、Tetsu Yamauchiも参加した。
結成当時のメンバーはかなり若かった。初期のライブ時点で、ベースのAndy Fraserは15歳、ギターのPaul Kossoffは17歳、ボーカルのPaul RodgersとドラムのSimon Kirkeは18歳だったと伝えられている。
Kossoffが在籍していたブルース・バンドのつながりからRodgersのグループを見に行ったことがきっかけで、両者が意気投合した。そこにJohn Mayall's BluesbreakersにいたFraserも加わり、4人編成がまとまった。バンド名は、彼らを後押ししたAlexis Kornerが提案したとされている。
FreeはIsland Recordsと契約し、1968年にデビュー作『Tons of Sobs』を発表した。初期のアルバムは大きなセールスにはつながらなかったが、活動は続いた。
転機になったのは3作目『Fire and Water』(1970)だ。このアルバムに収録された「All Right Now」が大ヒットし、Freeの名前を広く知られるものにした。1970年のワイト島フェスティバルにも出演し、観客60万人規模の大きな舞台に立っている。
Freeの音楽は、ブルースを土台にしたシンプルなロック・サウンドが中心だ。Paul Kossoffのギターは、ブルース由来のフレーズを前面に出したプレイで知られている。Paul Rodgersのボーカルは、力のある歌い方でバンドの軸になっていた。
Andy Fraserのベースは、単にリズムを支えるだけでなく、曲の動きを作る役割も担っていた。Simon Kirkeのドラムは、派手さを抑えつつ曲全体をまとめるタイプだ。全体として、演奏の隙間を活かした構成が目立つバンドだった。
一方で、バンドは順調に進んだわけではない。Kossoffの薬物依存が次第に深刻化し、1971年にいったん解散した。1972年には再結成して『Free at Last』を発表したが、状況は改善せず、1973年2月に最終的な解散となった。
Kossoffはその後も薬物問題を克服できず、1976年に25歳で亡くなっている。Paul RodgersとSimon Kirkeはその後、Mott The HoopleのMick Ralphs、King CrimsonのBoz BurrellとともにBad Companyを結成した。
Freeは活動期間こそ長くないが、「All Right Now」を中心に強い印象を残したバンドだ。ブルース・ロックを基盤にした演奏、若いメンバーによる勢い、そして短期間で大きなヒットを出した経歴が特徴として挙げられる。
後年のハードロックやブリティッシュ・ロックを追うとき、Freeの名前はよく出てくる。シンプルな編成で曲を前に出すやり方は、今聴いても確認しやすい部分が多い。