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Fugaziは、1987年にワシントンD.C.で結成されたアメリカのロック・バンドだ。Ian MacKayeとGuy Picciottoがギターとボーカル、Joe Lallyがベース、Brendan Cantyがドラムを担当してきた。パンクを土台にしながら、オルタナティブ、ポスト・ハードコア、実験的な要素まで含むサウンドで知られている。
バンド名の「fugazi」は、ベトナム戦争期の米軍スラングで「めちゃくちゃだ」「待ち伏せされた」「封じ込められた」といった意味で使われていた語だとされる。
Fugaziは1987年の秋に始動し、同年9月3日に最初のライブを行った。1998年ごろから2002年の活動終盤までは、Jerry Busherがツアー・ミュージシャンとして参加し、2001年作のアルバムとシングルではセカンド・ドラムとパーカッションを担当している。
バンドは2003年から無期限の活動休止に入っている。最後のライブは2002年11月4日だった。
Fugaziの音は、パンクの速度感や硬さを持ちながら、リズムの組み方やギターの絡ませ方で単純なハードコアに収まらない作りになっている。ジャンル表記としては、Indie Rock、Punk、Post-Hardcore、Hardcore が並ぶことが多い。
Ian MacKayeとGuy Picciottoのツイン・ギターとツイン・ボーカル、Joe Lallyのベース、Brendan Cantyのドラムという編成で、曲ごとに緊張感のある展開を作ることが多い。初期パンクの勢いを残しつつ、変則的なリフや間の取り方を取り入れている点が、同時代のバンドの中でも目立つところだ。
Fugaziは音楽性だけでなく、運営のしかたでもよく語られる。自主レーベルDischordから作品を出し、ツアーでは自分たちで車を運転し、機材のセッティングも自分たちでこなしていた。物販も会場では行わず、音楽を消費主義の道具にしたくないという考え方を前面に出していた。
ライブではチケット代を一貫して5ドルに固定していたことでも知られている。インフレやツアー費の上昇があっても値上げしなかった。熱心なファンから高額な入場料を取ることを避けたい、という考え方が背景にあったとされる。
さらに、Fugaziは全年齢対象の公演を重視し、会場内での飲酒やステージダイブも禁止していた。観客同士のトラブルが起きた場合は演奏を止め、Ian MacKayeが注意を促し、それでも収まらないときは5ドル入りの封筒を渡して退場させる、という逸話も広く知られている。
こうした姿勢は、後続のインディー・ロックやハードコア、ポスト・ハードコアのバンドに強い影響を与えてきた。特に、バンド運営まで含めたDIYの実践は、単なる理想論ではなく、実際に回していく方法として参照され続けている。
Fugaziは、演奏面ではパンク由来の強度を持ち、活動面では商業主義から距離を取るやり方を徹底したバンドだ。音だけでなく、そのやり方自体がシーンの基準になっているところに、このバンドの大きさがある。