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Gary Wright(ゲイリー・ライト)は、1943年4月26日に米国ニュージャージー州クレスキルで生まれたシンガー/ソングライター、キーボード奏者だ。2023年9月4日にカリフォルニア州パロス・ベルデス・エステーツで亡くなっている。ロックとポップを軸に活動し、UKのロック・バンド、Spooky Toothの結成メンバーとしても知られている。
ライトは子役として活動した時期があり、ブロードウェイ・ミュージカル「Fanny」に出演している。その後、ニューヨークとベルリンで医学や心理学を学んだあと、音楽の道へ進んだ。1959年にはBilly Markleとの録音で、Gary And Billy名義の商業録音も残している。
1967年にヨーロッパでIsland RecordsのChris Blackwellと会ったことをきっかけにロンドンへ移り、Spooky Toothを結成した。バンドでは主要なソングライターとして機能し、Mike Harrisonとは異なるヴォーカルと作曲の持ち味で楽曲を支えた。1969年の『Spooky Two』を含め、評価の高い作品群の中で中心的な役割を果たしている。
1971年にはソロ作を発表し、その後は短期間のバンドWonderwheelでも活動した。70年代にはソロ・アーティストとしても重要な作品を残しており、なかでも1975年のアルバム『The Dream Weaver』からシングル・カットされた「Dream Weaver」が代表曲として知られている。
この曲は、George Harrisonから贈られたパラマハンサ・ヨガナンダの著書『あるヨギの自叙伝』に触れたことが着想のきっかけになっている。歌詞の一節「When my mind weaves dreams」に由来するタイトルで、シンセサイザーを前面に出したサウンドが特徴だ。全米ビルボードHot 100で2位を記録し、米国では100万枚以上を売り上げてダブル・プラチナ認定を受けている。
ライトの活動を語るうえで、George Harrisonとの関係は外せない。ベーシストのKlaus Voormannの紹介で知り合い、Harrisonのソロ・デビュー作『All Things Must Pass』の制作に参加してピアノを担当した。その後も1970年代を通してHarrisonの作品に鍵盤奏者として関わり、交流は長く続いた。2014年には、この友情や自身の音楽、瞑想との関わりをまとめた自伝『Dream Weaver: Music, Meditation, and My Friendship with George Harrison』も出版している。
ライトはシンセサイザーの先駆者としても知られている。後年には、首から下げるタイプの単一キーボードに複数の音色をまとめるなど、演奏方法の面でも工夫を重ねた。キーボードを軸にしながら、作曲、編曲、演奏の各面で活動の幅を広げていった。
Spooky Tooth解散後は、プロデューサーとしての仕事にも関わり、さらにセッション・ミュージシャンとしても活動した。George Harrison、Joe Cocker、Elton John、Steve Winwoodといったアーティストに加え、Busta Rhymes、Salt 'N' Pepa、Eminem、Joan Osborneなど、時代やジャンルの異なる作品にも参加している。こうした経歴から、ロックの文脈だけでなく、幅広い録音現場でキーボードを必要とされていたことがわかる。
1980年代初頭には映画音楽の制作にも取り組んでいる。また、自身や息子のアルバムをプロデュースした記録もある。家族には妻のTina Wright、姉妹のBeverly WrightとLorna Wright、息子がいる。