Grauzone

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Grauzone

Grauzoneとは

Grauzoneは、1979年末にスイス・ベルンで結成されたバンドだ。中心になったのは、パンクバンドGlueamsを離れたドラマーのマルコ・レペットと、ベーシストのGTことクリスチャン・トリュッセル、そしてギター/ヴォーカルのマルティン・アイヒャーだった。1980年3月、ベルンのSpexクラブで初ライブを行っている。

活動時期は短く、1982年には解散している。それでも、ドイツ語圏のポストパンク/ミニマル・ウェーヴ、そしてNeue Deutsche Welle(NDW)の流れを語るうえで名前が挙がることが多い。特に「Eisbär」と「Film 2」で知られている。

バンドの成り立ちと活動歴

Grauzoneの出発点には、ベルンのパンク・シーンがある。GTとマルコはGlueamsで活動しており、そこにマルティン・アイヒャーが加わって新しい方向へ進んだ。ライブでは、のちにマルティンの兄であるシュテファン・アイヒャーや、サックス奏者のクリスティーヌ・シャルツらが参加することもあった。

1980年にコンピレーション『Swiss Wave – The Album』へ「Eisbär」が収録され、その後シングルとしてもリリースされた。この曲はオーストリアで最高6位、ドイツで最高12位を記録している。一方で、バンド側は商業的な成功に強く寄らず、ライブ本数も多くなかった。しかも「Eisbär」をライブであまり演奏しなかったことが知られている。

1981年には、バンド名を冠した唯一のアルバム『Grauzone』を発表した。録音時点ではGTが外れており、1982年初頭にはマルコも脱退している。最後の録音ではベースに別メンバーを迎えたが、そこでバンドは活動を終えた。実質的な活動期間はかなり短い。

音楽的特徴

Grauzoneの音は、Electronic、Rock、Popの要素をまたいでいる。スタイルとしてはNew Wave、Synth-pop、Minimal、NDWが挙げられる。シンセサイザーを前面に出しつつ、ギターやサックスも組み合わせている点が特徴だ。

「Eisbär」では、機械的なリズムと冷たい質感のあるシンセが前に出る。歌もドライで、曲の進み方は比較的シンプルだ。「Film 2」も同じく、反復を軸にした作りが目立つ。派手な展開を増やすより、同じモチーフを保ちながら進めるタイプの楽曲が多い。

当時のNDWには、パンク由来の緊張感を持ちながら、ポップな要素や電子音を取り込むバンドが多かった。Grauzoneもその文脈に入るが、演奏や作品の作り方はかなり絞り込まれている。音数を増やしすぎず、必要な要素だけを置く感覚がある。

代表曲「Eisbär」

Grauzoneを語るときに外せないのが「Eisbär」だ。1980年に初出し、その後シングル化されてヒット曲になった。タイトルはドイツ語で「シロクマ」を意味する。

この曲は、のちに映画『Ma Vie De Courgette』(2016年)で使われている。公開から時間がたっても、映像作品で参照され続けているのは、この曲が持つ音の輪郭がはっきりしているからだろう。Grauzoneの名前を知らなくても、「Eisbär」を耳にしたことがある人は少なくないはずだ。

解散後の動き

解散後、マルティン・アイヒャーとGT、そして元Glueamsのギタリスト、マルティン・パヴリネックは別のプロジェクトを組んだ。シュテファン・アイヒャーはソロ活動に進み、フランスを拠点にキャリアを広げていく。1987年の「Combien de Temps」や、1991年の「Déjeuner en paix」は、彼の代表曲として知られている。

Grauzoneの本体は短命だったが、メンバーのその後の活動を追うと、バンドが単発の現象ではなかったことも見えてくる。ポストパンクからNDW、さらにソロ・ポップへとつながる流れの中に、Grauzoneはしっかり位置している。

今あらためて見るGrauzone

Grauzoneは、長く活動したバンドではない。それでも、ベルン発のNDW/ポストパンクの初期例として名前が残っている。シンセ、ギター、サックスを組み合わせた音作り、ライブ回数の少なさ、商業路線から距離を取る姿勢、そして「Eisbär」のヒットが、バンドの輪郭をはっきりさせている。

短い活動期間の中で、作品と姿勢の両方を残したバンドとして見ると、Grauzoneはかなり特徴がわかりやすい。アルバムは1枚、代表曲は強く記憶され、解散後のメンバーの動きも含めて、1980年代初頭のドイツ語圏オルタナティブ・シーンを知る入口になる。

ジャンル・スタイル

Electronic Pop Rock Minimal NDW New Wave Synth-pop
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