Vinyl Record Reviews
Guillotineは、カナダ・ケベック州モントリオール出身のジャズ・ロック・バンドだ。編成は大所帯で、Pierre Nadeau、Robert Turmel、Paul Morin、Carole Breval、Paul Dalonzo Jr.、François Petrari、Jean Morin、Joe Trivisonno、André Morinらが名を連ねている。
1971年、Ampexから唯一のセルフタイトル・アルバムを発表した。レコーディングはロンドンで行われている。バンドのプロフィールではフレンチ・カナディアンのジャズ・ロック・バンドとされており、ウェブ上の情報でもモントリオールを拠点に活動したグループとして紹介されている。
70年代には、Black SabbathやJoe Cockerの大規模コンサートで前座を務める予定があったが、メンバーのPaul Morinの深刻な健康問題で出演はキャンセルになったという。大きな機会だったが、その後に実現することはなかったようだ。
Guillotineの中心にあるのはジャズ・ロックだ。そこにサイケデリック・ロック、ブルース・ロック、フォーク・ロック、R&Bの要素が重なっている。特に、Chicago Transit Authority、のちのシカゴに通じるホーンを使ったアレンジが特徴として挙げられている。
唯一のアルバムでは、Lanny MeyersまたはRick Kunisが書いた曲が多く、編曲もこの2人が担当した。プロデュースはRick Kunisが手がけている。演奏面では、ホーンを含む編成を前提にした、まとまりのあるジャズ・ロックの作りが目立つ。
1971年作の『Guillotine』は、ジャズ・ロックを軸にしながら、サイケデリックな展開やロック寄りのリフ、R&Bの感触を混ぜた内容になっている。ホーンが前に出る曲では、ロックのバンド編成にジャズのアレンジを持ち込んだ作りが分かりやすい。
メンバー構成を見ると、Morin三兄弟を中心に、ピアノ、ボーカル、ホーン系の奏者を含む形で組まれていて、当時のジャズ・ロックらしい拡張されたバンドサウンドを狙っていたことがうかがえる。
作品数は多くないが、1970年代初頭の北米ジャズ・ロックの一断面として追いやすいバンドだ。大編成、ホーン、ロックの推進力、そしてサイケデリックな色合いが同居していて、同時代のジャズ・ロック好きには気になる存在になっている。
Black SabbathやJoe Cockerの前座候補だったという話も残っていて、当時の活動がどこまで広がる可能性を持っていたのかを考えさせられる。実際に残された音源は少ないが、その分、1971年のアルバムを起点にバンドの輪郭をたどりやすい。