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Here & Nowは、1974年にロンドンのラドブローク・グローブ周辺のスクワッター・コミュニティで結成されたイギリスのロック・バンドだ。ジャンルはロックとされるが、実際にはサイケデリック・ロックとフリー・インプロヴィゼーションを軸にした活動で知られている。
メンバーは共同生活の中から集まり、UKフリー・フェスティバル運動の流れの中で育った。初期からLegalise Cannabis CampaignやStonehenge Festival、BIT、Releaseなどの関連団体に無償で協力し、ライブでも長く入場料を取らず、会場での任意カンパで運営していた。
1977年にはDaevid AllenとGilli Smythを迎え入れ、Planet Gongとして活動した。ここで最初のヴァイナル作品『Floating Anarchy 1977』を発表している。翌1978年、Daevid AllenとGilli Smythがアメリカへ渡ったのをきっかけに、バンド名はHere & Nowに戻った。
この時期の動きは、単なるバンド活動というより、フリー・フェスティバル文化やコミューン的な生活と近いところにあった。音楽活動とイベント運営、政治的な支援活動が切り離されていない点が特徴だ。
Here & Nowの音楽は、サイケデリック・ロックを土台にしながら、フリー・インプロヴィゼーションの要素を強く持つ。きっちり作り込まれた曲を並べるというより、演奏の場で展開が変わるタイプのバンドとして理解しやすい。
また、同じくロンドン・ラドブローク・グローブのスクワッター文化を背景に持つHawkwindとの共通点も挙げられている。スペース・ロックの文脈で語られることがあり、UKフリー・フェスティバルの現場と結びついたサウンドが印象的だ。
1978年以降は、パンク方面のMark Perry率いるAlternative TVとも交流し、合同ツアーやライブアルバム『What You See Is What You Are』を残している。ここではサイケデリック/スペース・ロックとパンクの接点が見える。
1978年から1983年にかけてはヨーロッパ各地をツアーしつつ、ストーンヘンジ・フェスティバルのPA、ステージ、照明設営にも毎年協力していた。演奏だけでなく、フェスティバルの現場を支える役割も担っていたわけだ。
紹介されているメンバーには、Keith Dobson、Keith Bailey、Rob Peters、Twink、Joie Hinton、Stephan Lewry、José Gross、Anno Graver、Bernie Elliot、Rob Bougie、Steve Cassidy、Deano Ferrari、Chris Kelleher、Paul Rose、Gavin Allardyce、Richard Heley、Jack Neate、Mary Clare、Susan Allportの名前がある。編成は時期によって動いていたと見てよさそうだ。
Here & Nowは、フリー・フェスティバル文化の中で活動したバンドとして記録されている。任意カンパでの運営、政治運動への協力、イベントの設営参加まで含めて、当時のアンダーグラウンド・シーンの実践をそのまま体現していた。
その自由な運営と演奏スタイルは、後のOzric TentaclesやCardiacsといったポストパンク以降のバンドにも影響を与えたとされている。サイケデリック・ロック、スペース・ロック、即興演奏の交差点にあるバンドとして見ておくと、位置づけがつかみやすい。